数年前、友人のバーベキューで2人は出会い、結婚したカナデとマサハル。ある日、夫の友人から「マサハルは年下の女の子にすぐ惚れちゃうんだよね」と聞かされたカナデ。結婚相手に選ばれたのだから若さだけではないはずと自分に言い聞かせますが、年を重ねるごとに不安は増していきます。
若々しくきれいでいるために日々努力を続けるカナデ。しかし最近のマサハルはスマホばかり見て、新調したワンピースを着た妻にも関心を示しません。画面を見ながらニヤニヤ笑い、夫婦の時間より明らかにスマホを優先する夫の態度に、カナデの不安は募っていくのでした。
不安とイライラを募らせたカナデは、スマホを持つ夫の隣に座ってみることに。すると……!?
スマホを見てニヤニヤする夫の隣に座ってみると







カナデは最近、夫の様子が気になって仕方がありませんでした。
リビングのソファに座る夫は、また今日もスマホの画面を見つめながら、口元をほころばせています。その顔には明らかに幸せそうな笑み、さらには鼻歌まで……!
「ねぇ、何かうれしいことでもあった?」
カナデは思わず声をかけました。夫の隣に腰を下ろそうとソファに近づきます。
すると夫は、まるで何かに驚いたように「まぁ……そんなところ」とだけ答えて、バツが悪そうに立ち上がってしまいました。その動作に苛立ったカナデは、
「もう少し夫婦の時間を作りたいの!」
つい声を荒らげてしまいました。最近はこうして話しかけても、夫はスマホばかり見ています。2人でゆっくり話す時間も減ってしまい、夫婦でいる意味とは何なのだろう——そんな不安がカナデの胸に渦巻きます。
しかし、夫にはカナデの訴えが届いていない様子。そのとき、カナデの脳裏に夫の友人の言葉がよみがえり、カナデの心はザワザワして不安になってしまうのでした。
◇ ◇ ◇
スマホの画面を見ながらパートナーがニヤニヤ笑っている——そんな光景にモヤッとしたことはありませんか。「何を見てるの?」と聞いても、はぐらかされる。たったそれだけで、自分だけ置いていかれているようなさみしさが押し寄せてくるもの。
カナデが求めているのは、本当は「スマホを見るな」ではなく、「私との時間を大事にしてほしい」というシンプルな願いでしょう。でも、素直に「さみしい」と言う代わりに、「だったら教えて!」「夫婦の時間を作ってほしい」と強めの言葉になってしまいます。こういった経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
パートナーの行動にモヤモヤしたとき、「教えてくれてもいいじゃない!」などと責めがちですが、「こういうとき、私は不安になる」と自分の気持ちを言葉にしてみることも、大切なのかもしれません。ただし、それを受け止めてくれるかどうかは、相手次第。パートナーがあなたの声に耳を傾けてくれるかどうか——そこに、二人の関係性の本質が表れるのかもしれませんね。
加藤 かと