かつて夫の友人から聞かされた「マサハルは年下の女の子にすぐ惚れちゃう」という言葉。
その不安を打ち消すように若作りに励むカナデでしたが、ある日、新調したワンピースを見せますが、夫はスマホに夢中。画面を見てはニヤつき、鼻歌まで歌う始末です。たまらずカナデが「何かうれしいことでも?」と隣に座ろうとすると、夫は「まぁ……そんなところ」と言葉を濁し、バツが悪そうに立ち上がって逃げてしまいました。
「夫婦の時間を作りたい」と必死に訴えても素っ気ない夫。カナデの脳裏には再び友人の言葉がよみがえり、夫への不信感が募っていくのでした。
翌日、部屋の電気もつけずに暗闇の中でスマホ画面に見入っている夫。カナデは声をかけることにしたのですが……!?
私にそっけない夫。何を考えてるの?







最近夫から避けられているように感じていたカナデは、意を決して「私が何かした?」と問いかけました。
すると夫は、とっさにスマホを隠すように伏せ、明らかに不機嫌な表情に変わります。 そして、「めんどくさ……」と大きなため息交じりにぼやいたのです。
それでもカナデは引き下がらず、「機嫌がいいときでも私にそっけないのが不安だ」と正直な気持ちを伝えます。 その言葉に夫は言葉を詰まらせ、少し考え込むような素振りを見せました。
しかし直後、何かいい言い訳を思いついたかのように「あっ……!」と声を上げると、急に饒舌に語り始めました。 「実は……会社で新しいプロジェクト任されてさ、仕事の連絡とかいろいろ忙しいんだよ」
仕事が理由だったのかと、その言葉を信じて安堵するカナデ。 「そうなんだよ……」と答えますが、うまく切り抜けたと思ったのか、夫の口元にはどこか不気味な笑みが浮かんでいたのでした。
◇ ◇ ◇
自分がスマホばかり見ているのに、妻が真剣な想いに対して、「めんどくさい」と夫に言われたら、悲しくなりますよね。夫の態度は、とても誠実とは言えません。本来であれば、夫の方がスマホを置いて妻の話に耳を傾けるべき場面であり、カナデさんが不安を感じて当然の状況です。
それができないのであれば、せめて「ごめん、今は集中したいから後で話せる?」と丁寧に時間を作る姿勢を見せるのが、パートナーとしての誠意ではないでしょうか。
夫婦という関係に甘えて、相手への配慮を欠いてしまっては、心の距離は広がるばかりです。「親しき仲にも礼儀あり」という言葉があるように、一番近くにいるパートナーだからこそ、相手を尊重し、思いやる姿勢を忘れないでいたいものですね。
加藤 かと