「お母さんには言えない」小学生の私が「生理」を母に隠し続けたかった理由とは

 

私が初潮を迎えたのは小学校5年生のときでした。はじめは「生理がきた」感覚がよくわからず、下着が濡れているような感じがしてトイレで確認したところ、下着に経血がたくさんついていて、「これが生理なのか」とただただ驚いたことを覚えています。

 

本来は生理がきたことを母親や周囲の大人に相談すべきなのでしょうか、当時の私はすぐに報告できず、しばらくの間は自宅にある生理用ナプキンを使うことなく、応急処置としてトイレットペーパーを下着にあててしのいでいました。

 

母親に生理がきたと知られたのは下着を洗濯に出したときです。洗面台で下着を手洗いして経血汚れを落としたつもりだったのですが、どうやら汚れは完全に落ちてはおらず、母親がそれを見て気づいたようでした。

 

初潮を迎えたことをすぐに母親に言えなかった理由は、家庭内の人間関係がうまくいっていなかったからです。当時はよく母親が借金をしてそのたびに家出をし、結果的に父が母を強制的に連れ戻すということを繰り返していました。

 

このように両親の関係が悪かったわけですが、もちろん親子関係もよくない状態で……。当時の私は父とは多少話すものの、母とはほとんど口をきいていなかったのです。

 

ただし、そんな関係であっても娘が初潮を迎えたと気づいた母は、私のために生理用ナプキンをきちんと用意してくれました。母に生理用ナプキンを渡された私は、いつ生理がきてもいいように、母に買ってもらった生理用ナプキンをランドセルに常備しておくようになりました。

すでに学校で性教育を受けていた私は、授業で「初潮を迎えたあとは毎月生理がくる」と学んでいました。しかし、私の場合ははじめだけ出血があったものの、そのあと1年ほどはずっと生理がなかったのです。たまに少量だけ出血しますが、何日か連続しての出血はありません。

 

母も私の生理不順には気づいていたようですが、前述したように子どもにあまり関心のない人だったため、病院に連れて行ってもらうこともなく、そのまましばらく過ごしていました。小学5年生で初潮を迎えてから小学校を卒業するまではずっと生理がない状態で、中学生になると定期的に生理がくるようになりました。

 

 

初めて生理がきたときは、うれしさよりも「これからずっとこの出血と付き合っていくのか」と、面倒なことになったなという気持ちのほうが大きかったです。そのため、初潮を迎えてしばらくは生理がこなかったことは正直なところ、気持ち的にはラクでもありました。

 

しかし、生理の異変があっても気軽に母親に相談できる環境ではなかったとしても、将来のために受診しておくべきだったと今、思います。もし、今後自分が母親になり娘ができた際には、いつでも相談できる関係を築きたいです。

 

著者／匿名
監修／助産師 松田玲子

 

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。