突然亡くなってしまった両親
会社員として働いているパニ子は、職場からも近いということで家を出ずに実家で両親と暮らしていました。パニ子には2歳年上の姉・パ姉がいましたが、半年前に結婚して家を出て行きました。そんな姉の夫であるミナトのことが苦手なパニ子。
ミナトは初対面なのにパニ子に両親の老後について聞いてきたり、実家の土地の広さを勝手に測っていたりしており、パニ子はミナトのことを嫌な人だと感じたのだそう。
そんなある日、パニ子の両親は夫婦で旅行に出かけました。パニ子とパ姉は2人のことを笑顔で見送ったのですが……旅先で不慮の事故に遭ってしまい、そのまま帰らぬ人となってしまいました。
両親の葬儀がおこなわれたのですが、ミナトは通夜どころか葬儀にも参列しませんでした。妻の両親の葬儀に出席しないなんてなんて人なの!? とパニ子はますますミナトのことが嫌いになったようでした。
断りもなく実家に上がり込んできたのは
両親が亡くなった悲しみを抱えながらも、仕事に復帰したパニ子。仕事から帰宅してホッとひと息をついていると、インターホンが鳴りました。亡くなった両親の知り合いなどが家に訪れることがあったので、パニ子は何のためらいもなくドアを開けてしまいました。
すると「まぁ~本当に大きな家だことw」と言いながら、知らない女性が家に上がり込んできたのです!
次々に家へと入ってくる人たちに戸惑うパニ子。一体誰!? と慌てていると、見覚えのある男性が1人。
それはミナトでした。葬儀にも顔を出さなかったくせに、何の連絡もなくヘラヘラとした態度で家にやって来るなんて……本当に嫌なやつだとパニ子はミナトに対して嫌悪感を隠すことをやめました。
家に上がり込んできたのは、ミナトの両親と妹でした。そして4人はパニ子に1週間以内のこの家から出て行くように言い始めたのです!
ミナトたちの主張では、長女であるパ姉が親の遺産を受け取るのだから、パ姉の夫である自分がこの家を受け取る権利があるとのこと。
当然パニ子はそんな主張を受け入れることなどできません。何とか4人を追い出し、急いでパ姉へと連絡を入れたのでした。
家、あげちゃうの!?
数日後、ミナトたちと話し合うことになったパニ子とパ姉。
話し合いを始めて早々に「それで、親御さんの遺産はどれくらいあったのかしら?」「この家の他に資産はあるのかい?」と聞いてくるミナトたち。パニ子はあまりの非常識さにこの人たちには人の心ってものがないの? と思わずにはいられませんでした。
そんなパニ子の思いとは裏腹に、両親の貯金額を教えだしたパ姉。それに対しミナトたちは「立派な家のくせに、お金はなかったのねw」などパニ子たちを見下したような発言をしていました。
パ姉は家はパニ子が相続し、貯金は自分が相続する予定だったと伝え、この家に引っ越す計画は白紙にするようお願いをしたのですが……「家は長女が継がなくてどうするのよw」「そんなはした金でごまかそうってのか!?」と納得はしてくれない様子のミナトたち。
さらにミナトから「この家がもらえないなら、結婚した意味ないじゃないかw」と言われたパ姉。ミナトはパ姉大きな家に住んでいるからお嬢様だと思って結婚したのだとか。家も遺産ももらえないのであれば、結婚など無意味だったと言いだしたのです。
その発言に怒ったパ姉はなんと家をあげると言ってしまいました! パニ子はパ姉の発言に慌てましたが、何かを企んでいるような顔をしているパ姉に気付き、全力で作戦に乗っかることに。
かくして、パニ子の実家はミナトたちの手に渡ってしまったのでした。
欲しかったのは家だけですよね?
その後、ミナトとは離婚することにしたパ姉。パニ子と2人で一緒に暮らし始めました。
ミナトたちに家を渡してから3カ月がたち、何事もなく過ごしていたのですが……ミナトからパ姉の元に連絡が来ました。
仕方なく実家まで足を運ぶと「大変なんだよ!」とかなり焦った様子のミナトが出て来ました。家の中には顔面蒼白なミナトの両親たちがおり、その前には何やら書類が広がっていました。
その書類の内容は土地代の請求書。請求額はなんと月25万円! ミナトたちはなぜこんなものが送られて来るのか、払えるわけがないとパ姉を責めました。
そんなミナトたちにパ姉は「土地は別の人が保有しているのだから、賃貸料を支払わなきゃいけないなんてわかりきってるじゃんw」とひと言。さらに「引き落とし口座の残高じゃ足りなかったから、督促状が届いているはずだけど?」と続けました。
それに対し「この土地はパ姉の両親のものだろ!? 土地も家もローンの支払いが終わってるって、パ姉の父さんから聞いてたんだからな!」と言い、ミナトたちはこれは詐欺なのではないかと騒ぎ始めました。
もちろん詐欺なはずがなく……ミナトたちが欲しがったのはあくまでも家だけだったので、パ姉は土地をパニ子に相続させ、ミナトとは土地の賃貸契約書を交わしていたのでした。
税金などの小難しい話は聞き流していたのか、ミナトはろくに書類内容の確認をせずに契約書にサインをしていました。離婚すれば赤の他人、パ姉はミナトたちに土地代が払えないなら出て行くように言いました。
両親との思い出の中で…
実家を取り戻すことに成功したパニ子たち。パ姉はミナトに土地代を分割で払うように命じ、今回のことは結婚して人が変わってしまった夫と別れる良いきっかけになったと思っているそう。
実家は築50年で老朽化も進んでいた家だったため、パニ子とパ姉が住みやすい家にこれからリノベーションをおこなうのだとか。
さらに、両親の貯金もミナトたちに見せたのはほんの一部で、本当は老後のためにかなりの金額を貯めていました。本来の貯金額を伝えたら、それすらも奪われてしまうと思っていたパ姉はわざと少ない金額を伝えていたのです。
これからも姉妹で力を合わせながら、両親が遺してくれた家をいつまでも大切にしていこうと誓ったパニ子とパ姉なのでした。
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両親との思い出が詰まった家を他人に奪われてしまうのはとても悲しいこと。パニ子とパ姉の大切な家や思い出を、ミナトたちに奪われてしまわなくてよかったですね。
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