第2の人生の人生がスタート
25歳で結婚し、4人の子どもに恵まれたパニ母。子どもたちは全員社会人になったものの、次女のパニ子が離婚し、孫を連れて実家に戻って来たのです。
子育ての次は孫育てをすることになってしまったパニ母でしたが、孫も幼稚園に通い始める年齢となり、ようやく自分の時間を持てるようになりました。
自分だけの時間ができたということで、パニ母は新しいことに挑戦してみることに! 今まで社会に出て働いたことがなかったため、パートとして働いてみようと思いました。
若いころは出版社で働くことを夢見ていたパニ母が出版社で働く知り合い桜井に連絡をしてみたところ、ぜひ働いてほしいとのことで面接をおこなうことになりました。
面接当日、緊張しながらも出版社に向かったパニ母を待っていたのは40代くらいの男性でした。
うちはエリートしか雇わないので!
パニ母を出迎えた男性は、パニ母のことをジロジロと見てひと言「こんなばあさんが来るなんて聞いてないよ!」と言いました。
面接は桜井がしてくれると聞いていたパニ母は驚きを隠せず、事情を聞くとどうも桜井は急用ができてしまったということで代わりに自分が面接をすることになったと言われました。
本田と名乗った男性は、パニ母の履歴書を見た途端……「高卒の専業主婦!?」「何でそんな人間が面接に?」とパニ母に対して失礼な発言を連発!
さらにこの出版社ではたとえパートであっても大卒のインテリしか雇わないと言い、高卒の低学歴が来る場所ではないと言いだしました。
本田の失礼な発言にいら立ちを覚えたパニ母でしたが、黙ってグッと堪えることに。しかし、本田はパニ母が黙っているのをいいことに調子に乗ってしまったのでした。
貧乏だから働きたいの?
調子に乗った本田は「あんた、本は読めるのかい? 漢字とかわかるの?」「どうせ、高卒の専業主婦なんて小学生程度の字しか読めないでしょw」とパニ母をバカにし続けました。
パニ母は漢字検定1級を持っていたため、読めない漢字はほとんどありませんでした。履歴書にも記載していましたが、ちゃんと目を通していない本田が気付くわけもなく……。
履歴書に書いているとパニ母が指摘をしても本田は謝るどころか「それにしても、こんな年寄りを採用するわけないだろうw」と話をそらすばかり。
しかも学歴の次はパニ母の年齢について言及し始めたのです! パニ母は65歳なのですがそれに対して「もう年金をもらう年齢だろう?」と本田は言い、ちゃんと年金を納めていなくて貧乏だから働きたいの? とパニ母に聞いてきました。
そして「正直に貧乏だって言いなよw」とあたかもパニ母がお金に困っているかのように決めつけてきたのでした。
バカにされても諦めず
出版社で働きたい気持ちは誰よりも強かったパニ母は、本田の言葉に屈することなく「採用していただけたら、精一杯働きます!」と一生懸命伝えました。しかし「低学歴のおばあさんはお引き取りくださいw」と本田が取り合ってくれる様子は皆無。
パニ母は正当な理由がないのに不採用にされることが納得できず、試験でもしてその成績で決めて欲しいと言いました。
すると本田は机の上に置いてあった1冊の本を手に取り「これ読めたら採用してやるよw」と言いました。その本は出版社のベストセラーの原作本で全編英語で書かれていました。
その本を見てパニ母はびっくり! なんとその本にはローマ字で「panikaa」と書いてありました。
思わず笑ってしまいそうになったパニ母。本田が渡してきた本はパニ母が昔、夫の仕事の関係でアメリカに住んでいたときに出版した育児本だったのです!
自分が書いた本が読めないはずなどなく、本田にどうやり返すかパニ母が考えていると、面接をしていた部屋に桜井が入ってきました。
学歴マウント男の末路は
本田とパニ母の様子を見て、事情を察した桜井は「またやらかしたのね?」と本田に向かって言いました。どうやら本田は以前、若い作家に偉そうな態度を取って契約を切られそうになったのだとか。
また無礼な振る舞いをしたのかと桜井は本田にあきれた様子。人を見下すなんておかしいでしょ! と桜井に厳しく言われた本田はようやくパニ母に頭を下げましたが、パニ母は本田の態度を許す気はなく……。
社内でも学歴での差別や女性に対する失礼な発言をしていた本田は、この件がきっかけとなり出版社をクビになったのでした。再就職先がなかなか決まらず、アルバイトをしていたものの、職場での偉そうな態度が原因でクビになりまくっているのだとか。
今ではすっかり酒に溺れてしまい、出版社で働いていたころからは考えられないような生活を送っているのだそう。
パニ母はというと、出版社でパートとして校正や翻訳のサポートをすることに! 桜井や他の人たちと働いているうちにまた本を書きたいと思うようになり、育児本の第2弾となる本の執筆に勤しんでいるようです。
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就職をする上で学歴を重視されることも少なくはありません。しかし学歴以外にも人柄など、履歴書には書いていないことを見るのも大切なことです。本田のように学歴にこだわり過ぎるあまり、他人を見下すようなことはしてはいけませんよね。
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