新人は全員遅刻魔!?
設立から半年の小さな会社で働いているパ兄。毎日大変ではあるものの、一生懸命仕事を頑張っていました。
社員が3人しかいない会社だったこともあり、パ兄は上司である社長と部長とはそれなりの関係が築けていました。そんなある日、3人の新入社員が入社したことでパ兄の身にとんでもない悲劇が降りかかったのでした。
新入社員は全員部長の甥でパ兄より少し年上の人ばかり。年上の後輩というだけでもパ兄にとってはプレッシャーなのにもかかわらず、3人とも遅刻魔でパ兄はすっかり困ってしまいました。
新入社員たちは毎日2〜3時間も寝坊で遅刻してくるだけではなく、遅刻をしても一切謝らず平然とオフィスに入って来るのです。それだけではなく、給湯室の冷蔵庫にあったアルバイトの私物を勝手に食べてしまうこともありました。
パ兄が「出勤時間、ちゃんと守ってください」「それはバイトの物なので勝手に食べないでください」と注意すると、年下の癖に生意気だと一蹴されてしまいました。新入社員たちは叔父の部下だからとパ兄のことをなめきっているようでした。
部長に改善を求めるも
新入社員たちの振る舞いに耐えかね、アルバイトも次々と辞めてしまったため、パ兄は3人をどうにかして欲しいと部長に直談判することに。
部長から注意してもらえないかと伝えると……部長は「パ兄さんね、カリカリし過ぎだよ」とまるでパ兄が気にし過ぎているかのような発言をしたのです! そして3人とも毎日出勤して仕事もしているのだから、遅刻くらい許しなさいと言いました。
しかし新入社員たちは出勤こそしているものの、毎日パソコンでゲームをしているか動画を見ているだけで仕事なんてまったくしていませんでした。パ兄は仕事をしているような様子はないと部長に言いましたが、部長からは「彼らはちゃんと毎日、やるべき仕事をやっている」と言われ、パ兄の話を聞く気はないようでした。
部長に相談しても無駄だと思ったパ兄は、社長に相談してみることに。パ兄の話を聞いた社長は「部長はうちの会社で最も仕事ができて信頼できる部下だし……」と信じられない様子。
事実確認をすると言ってくれましたが、その後も新入社員たちは遅刻をし続け、社長が対応してくれているようには思えませんでした。
「君、明日から来なくていいよ」
相変わらず遅刻を続ける新入社員たちに対し、根気強く注意をしていたパ兄。そんなある日、部長に呼ばれたパ兄は、突然解雇通知を受けたのです!
部長から解雇を言い渡されて驚いたパ兄が理由を聞くと「解雇の理由は、君がこの3人に嫉妬して暴言を吐いているからだ」と部長は言いました。
嫉妬も暴言も心当たりがないパ兄がどういうことかと尋ねると、どうやら新入社員たちが部長の甥だから甘やかされていると嫉妬して暴言を吐いているとのこと。さらに新入社員たちはパ兄から精神的苦痛を負わされて心を病んでしまったというではありませんか。
しかし、解雇通知を受けたパ兄を見て「いい気味だ」と言わんばかりにクスクスと笑っている新入社員たちの姿は、とても精神的に追い詰められている人には見えませんでした。
パ兄が自分の荷物をまとめていると、新入社員たちは後ろから「下っ端の底辺が!」「厄介払いできて清々するぜw」と言ってきましたが、部長は知らぬ存ぜぬな様子。
パ兄は何を言っても無駄だと痛感し、ため息とともに社を出ました。
着信履歴が100件も!?
翌日、仕事もないのでゆっくりと寝てしまったパ兄は夕方に目を覚ましました。どこからともなくスマホのバイブ音が聞こえ、仕事用の鞄の中を見てみると、間違えて仕事用のスマホを持ち帰ってしまっていたようでした。
画面を確認すると……なんと社長から100件もの着信が! 何があったのかと思ったパ兄でしたが、意味不明な理由で解雇をしてきた会社の人間と話をしたくなかったので折り返しの電話はしないことに。
するとその数時間後、インターホンが鳴りました。誰かと思って見に行くと「パ兄さん、お願いだ! 会社に戻って来てくれ!」と懇願する社長の姿があったのです!
インターホン越しに話をすると、社長から「君がやっていた仕事は全部、部長がやっていたと聞かされていた」「主要取引先からあなたじゃ話にならない、パ兄さんを出してくれと怒られている」「新入社員は仕事の指示を出しても使いものにならない」と言われました。
どうやら部長はこれまで、パ兄がやった仕事をすべて自分の手柄として社長に報告していたのだそう。そしてパ兄がいないのならば契約はしないと取引相手に言われ、慌てて解雇を取り消しに来たようでした。
社長と一緒に来ていた新入社員たちはパ兄に謝るかと思いきや! 大人しく戻ってくれば、俺たちも遅刻を直す努力をしてやると言いだし、まるで反省をしている様子はなし。
パ兄は仕事用のスマホを片手に玄関を開け「俺、会社には絶対戻りませんよ」と言ったのでした。
自分たちのことしか考えていないならば
パ兄はこれまで部長には何度も新入社員たちの業務態度について相談してきましたが、向き合ってくれることはありませんでした。社長にも相談したものの、事実確認はせずパ兄の相談事は聞き流されてしまい、新入社員たちの態度は改善するどころか悪化するばかり。
新入社員たちもパ兄が戻って来るならば遅刻を直す努力をしてやるなど上から目線で、本当に改善するとは到底思えませんでした。
結局その場しのぎのうそを並べて自分たちのことしか考えていないのであれば、今後もうまくやっていけないとパ兄は言い、二度とうちには来るな! と玄関のドアを閉めました。
その後、会社は取引先の獲得ができず経営難になり、最終的には倒産してしまいました。部長や新入社員たちは家を追われ、家族とも縁を切られてしまったのだそう。
社長も妻から離婚を言い渡され、今ではひとりぼっちなのだとか。
一方のパ兄は妹が経営する会社に入社することになり、良き上司や同僚に恵まれているそうです。
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部下の手柄を奪い、身内に甘い対応をし続けた結果、部長は優秀な部下だけではなく家族をも失うことになってしまいました。親族と一緒に働くときは、プライベートと仕事をしっかりと切り離さなければいけませんね。
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