そもそも血便とは? どうして出るの?
そもそも血便はどうして出るのでしょうか。
「血便は臓器からの出血が便と混じって出てくるものです。血便とひと口に言っても、出血している部分によって様子が違ってきます。大きくは3種類あります。
1. 鮮血便(鮮やかな赤色の血)→肛門や直腸などおしりの出口から近い場所での出血
2. 暗赤色便→どす黒い赤色。大腸の感染症やがんなどによる炎症の出血
3. タール便(黒色便)→胃や十二指腸からの出血
血便が出たら、色や様子をチェックしておき、医師に伝えてください」(里村先生)。
血便から考えられる病気とは
血便が出たら、どんな病気が考えられるのでしょうか。
「多くは痔かポリープなのですが、主に以下のような病気が考えられます。
・ 痔→鮮血便。肛門から少量~多量に出血。
・ 直腸ポリープ、直腸がん→鮮血便。肛門から少量出血。
・ 結腸がん、感染性大腸炎、虚血性腸炎→暗赤色便。大腸から少量~多量に出血
注意すべきなのは、痔の出血と直腸からの出血が同じ鮮血便で、間違えやすいということです」(里村先生)
痔と大腸がんの見分け方は?
「痔は肛門の周囲に痛みがあるのが特徴です。また、いぼ痔の場合は排便時に飛び出してきます。
大腸がんは、ステージⅠの早期までは自覚症状がほとんどありません。痛みがないのに血便が出るときは、大腸がんとは特定できませんが何らかの腸疾患の可能性があります」(里村先生)。
血便が出たらどうする?
肛門科か消化器内科を必ず受診を
血便が出たらどうすれば良いのでしょうか。
「肛門に痛みがある場合は痔の可能性が高いですが、自己判断せず、肛門科または消化器科のある内科を受診しましょう。
万が一、大腸がんと診断されたとしても、大腸がんは早期に治療すれば『治りやすいがん』の一つです。がんが粘膜下層の浅い部分にとどまっている早期がんなら、治療後の5年生存率は9割以上で、ほぼ完治が見込めます。
ですから、大腸がんは早期発見が何より重要です。
早期発見には『便潜血検査』が最も有効です。大腸がんは40代から罹患率が増え、女性がかかるがんのうち、死亡原因が1位となっています。年に1回の簡単な検査ですから、必ず受けるようにしてほしいと思います」(里村先生)。
まとめ
血便=痔という思い込みが、大きな病気を見逃すことになるかもしれません。血便が出たら即受診、そして年に1回の「便潜血検査」を受けて自分の体をしっかり守っていきましょう。
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※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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