ぐりさんの育った家は貧しく、お母さんは早朝から働きに出ており、お父さんは船の仕事でなかなか帰ってきませんでした。さらに、お父さんがギャンブルで作った借金をめぐり、たびたび両親は大喧嘩。そして、ついに両親の殴り合いの喧嘩を目にしてしまいます。
ある日、「ドンドン」と玄関のドアを叩く音が。それは借金の取り立てだったのです―。
ライターとクッションを手にしたお母さんは…
ぐりさんのお母さんは、怒ると子どもにも手を上げる人でした。はだしで外に追い出されたぐりさんの救世主はいつもお父さん。しかし、お母さんが自分たちのためにがんばってくれているのを、幼いぐりさんはわかっていたのでした。
そんな両親が殴り合いの喧嘩をして、「離婚しよう」と言い出す事態に。幼いぐりさんは「離婚なんてしないでよ」と泣きながら引き止め続けます。そんなことを繰り返すうちに、ぐりさんは自分の行動ひとつで次は本当に両親が離婚するかもしれない、という不安でいっぱになっていました。
そんなある日、ぐりさんの家に借金の取り立てがやってきます。実は、前から差し押さえの手紙を受け取っていたお母さん。ローンも組めず、貯金も底をついた今、お母さんは限界を迎えてしまったのです。
お母さんがクッションに火をつける様子をただ見ていたぐりさん。「これ、一家心中ってやつじゃん」とすぐに思い当たりますが、恐怖で言葉が出てきませんでした。しばらくして、我に返ったお母さんがクッションを何度も叩きつけて鎮火。ぐりさんはただ泣き叫ぶお母さんを見守ることしかできないのでした。
一家心中しようとするお母さんを目の当たりにして、恐怖で動けなくなってしまったぐりさん。お母さんは途中で思い直したようです。いろいろなストレスが重なって心に限界を感じてしまったのでしょうね。もしも、ぐりさんのお母さんのように心がつらくなったときは、一人で悩まず誰かに助けを求めることが大切です。悩んでいる人たちに向けて、以下のような相談窓口があります。
■児童相談所全国共通ダイヤル
育児や子育てに悩んだときなどの相談窓口です。全国共通ダイヤル「189」に電話をかけると、発信した電話の市内局番等から当該地域を特定し、管轄する児童相談所に電話が転送されます。子どもが虐待されているかもと思ったとき、自分の子育てがつらくて子どもにあたってしまうときなどに、専門家に相談することができます。
電話番号:189(いちはやく)
■いのちの電話(一般社団法人 日本いのちの電話連盟)
0570-783-556(ナビダイヤル)
※午前10時から午後10時まで
※IP電話からのご利用はできません。固定電話または携帯電話からご利用ください。
0120-783-556(フリーダイヤル・無料)
※毎日16時から21時まで
※毎月10日は、午前8時から翌日午前8時まで
※IP電話(アプリケーション間の無料通話を除く)からは 03-6634-7830(通話料有料)
■こころの健康相談統一ダイヤル
電話をかけた所在地の都道府県・政令指定都市が実施している「こころの健康電話相談」等の公的な相談機関に接続します。
0570-064-556 ※相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります。
■よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター)
ガイダンスで専門的な対応も選べます(外国語含む)。
0120-279-338 つなぐ ささえる(フリーダイヤル・無料)
※岩手県・宮城県・福島県からは 0120-279-226 つなぐ つつむ(フリーダイヤル・無料)