夫の家族はOKで妻の家族はNG!?
海水浴のできる夏だけかと思いきや、季節を問わずやってくる義家族。飲み食いし放題で、私を召使いのようにこき使うので、義家族が帰るといつもぐったりしてしまいます。
夫には何度も「義家族の訪問を控えてほしい」と伝えてきましたが、聞く耳を持ちません。むしろ「家族孝行」と言って、事あるごとに招いているのです。
そんなあるとき、私の姉から「泊まりがけで遊びに行ってもいい?」と連絡がありました。私はもちろん大歓迎でしたが、夫はまさかの「気疲れするから嫌だ」と拒否。あれだけ義家族を泊めているのに、納得できるはずがありません。
「私の姉はダメで、あなたの家族はいいの? たまには私の家族をもてなしてくれない?」と問い詰めると、夫は「家のことをするのは妻! 常識だろ。お前の家族が来るなら、俺はホテルに泊まるから」と言い放ちました。義家族が来るときは私がもてなしに追われ、休むどころではないのに、この言い分には心底腹が立ちました。
自分の客は自分でもてなすルールに
夫が考えを曲げないのなら、私ももう我慢はしないと決意。義家族が来るときは、私もホテルに泊まることにしました。さらに「今後は自分の客は自分でもてなすことにしよう」と夫に伝えたのです。「嫁のくせにそんなことが許されると思ってるのか!」と夫は怒鳴りましたが、私は一歩も引きませんでした。
結局、姉一家が泊まりに来たときに夫はホテルに泊まったようで、顔を合わせることなく、私と姉家族だけで楽しい時間を過ごしました。
数日後、今度は義姉から「今年の夏は2週間滞在するから、食材をたっぷり用意しておいて」と連絡が。私は毅然と「今後は夫が準備することになったので!」と伝え、電話を切りました。
「もてなすのは嫁の役割」と激怒する義家族
それを知った夫は激怒し、「いつも通り、お前が準備しろよ? 母さんたちが来る日に家にいなかったら離婚だ」と言い放ちました。
さらに義母からは「嫁が夫の家族をもてなさないなんて、ありえない! 非常識よ!」と電話で責められ、義姉からも「夏の楽しみを台無しにする気?」と文句を言われ、私はついに限界を感じました。
私は夫に「もう無理。この生活は続けられない。離婚する」と告げました。すると夫はまさか私が本当に応じるとは思わなかったようで、「ちょっと待てよ。離婚なんて本気じゃないし……」と焦り出しました。けれど、私の決意は変わりませんでした。
離婚を決意し、新しい生活へ
とはいえ、離婚は簡単ではありませんでした。夫は「俺は離婚なんてしない。子どもも渡さない」と突っぱね、話し合いは平行線。精神的にも限界を感じた私は姉に相談することに。すると姉は「ひとりで抱え込まないで、専門家に頼りなさい」と背中を押してくれました。
また、そのとき、まだ幼い娘がポツリと言ったのです。
「ママ、ばあばたちが来るといつも疲れてるよね。私はママと2人でゆっくり暮らしたい」
その言葉で胸がいっぱいになりました。私の我慢が娘にまで伝わっていたのかと思うと、涙が止まりませんでした。姉と娘、2人の後押しがあったからこそ、私は勇気を出して弁護士に相談する決意ができたのです。
最終的に調停を経て、離婚は成立しました。海の見える家を離れるのは正直寂しかったですが、義家族に振り回されず、娘と穏やかに過ごせる毎日を取り戻せたことに心から満足しています。
「またいつか海の近くに住めるように、仕事を頑張ろう」――そう前向きに思える今の生活に、後悔はありません。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。