噂の美人な新入社員って!?
新入社員が紹介される日のこと。同僚たちが楽しそうに「今年の新人に美人がいるらしい」と盛り上がっているのを横で聞きながら、「先輩になるんだなあ」と、僕は感慨深い気持ちになっていました。しかし同僚たちが指差した新入社員の姿を見た瞬間、その気持ちは吹き飛びました。課長に連れられて入ってきた新人は……なんと僕が卒業した高校の後輩であり、元カノだったのです。
あれは高校3年生の体育祭の日。1つ下の彼女……Aは貧血のような症状が出たため、保健委員だった僕が介抱しました。するとその後、体調がよくなった彼女から「このあとの100m走で1位になったら付き合ってほしい」と言われたのです。
結果は、彼女の宣言通り。驚異的な走りで1位となり、彼女の勢いに押された僕は交際することに。しかし、卒業前にある理由から別れを告げ、そのまま一度も会うことなく時間が過ぎていきました。
気まずさとすれ違い
元気に仕事をするAを社内で見かけても、僕は逃げるように仕事をするようになりました。理由も告げずに「別れてほしい」と言った日から、僕は気まずい気持ちでいっぱいだったからです。
彼女から「ちょっと話をしたい」と言われても、「ごめん」と謝ってその場を去るしかできなくて……。気まずさに押し潰されそうな毎日でした。
そんな中、先輩のBさんが僕の様子を見て、「お前もAにひと目惚れしたの?」と茶化してきました。すでに同僚男性たちはAに夢中。だからこそBさんは僕もそうだと思ったのでしょう。
怒りと涙の再会
数日後の残業帰り。突然Aに呼び止められ、「どうして無視するんですか」と詰め寄られました。別れた理由を問い詰められても答えられず、泣きそうな顔をするAを見た僕は「ごめん」と答えてAの元を去りました。
これはあとから知った話なのですが、僕が去り涙ぐむAの姿を、Bさんや他の同僚たちに見られていたようで……。翌日には「2人が付き合っている」という噂が社内で流れることに。僕はまさかの噂が流れ、動揺してしまいました。
その日の夜、Bさんに声をかけてもらい、一緒に飲むことに。Bさんが指定してくれたお店に向かうと……現れたのはBさんではなくAでした。
「どうしてもあなたと話がしたくて…Bさんにお願いした」と言うAは、「無視されて、さみしかった」と続けます。落ち込んでいる彼女の様子に、僕は「ごめんね。僕のせいで」と謝りました。
誤解と告白
彼女は、僕が別れを告げた後もずっと僕のことを好きでいてくれたようです。
「どうして一方的に『別れる』なんて言ったの?」という彼女に「僕に自信がなかったんだ」と答えました。美人でいつも人に囲まれているAに僕はふさわしくないのではないかと思っていたのです。
「いきなり別れを告げることになってしまってごめん」という僕に、「私は、やさしいあなたのことが、ずっと好きなの」と笑顔で答えてくれました。
こうして思いが通じ合った僕たちは、再び交際スタート。Bさんをはじめとした会社の人たちも僕たちの関係を好意的に捉えてくれています。交際を喜んでくれた同僚たちや、僕たちの仲を取り持ってくれたBさんには感謝しています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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