突然起こった激痛
ある日の朝、いつも通り仕事に行く準備をして、自宅の2階のベランダで洗濯物を干していたときのことです。突然、下腹部に差し込むような、何かで殴られたような、何とも言えない激痛に襲われました。
ただ事ではないであろう痛みに戸惑いながら、携帯電話が1階にあるため必死で階段を降りました。その後、冷や汗と吐き気にも襲われました。ですが、職場を移動して1カ月しかたっておらず、早々に欠勤することをすぐには言えず……。30分ぐらいひとりでもだえ続けたのを覚えています。
ですが、一向に治まる気配がなかったので、職場に「起き上がれないくらいおなかが痛いから休ませてほしい」と連絡を入れ、再び横になっていました。
そのまま数時間経過して何とか立ち上がり、昼ごろになって病院を予約。夕方、夫に付き添われて婦人科受診することに。
子宮内膜症、両卵巣にチョコレート嚢腫の診断
10年ぶりに婦人科でエコーをすると、「両方の卵巣が腫れており、子宮内膜症の疑いがある。生理痛も激しいでしょう?」と医師に言われました。生理1〜2日目の痛みは誰でもこの程度だと思っていたし、痛み自体を人と比べることもできず、また痛み止めで何とか治ってきたので気にしていませんでした。
この日の検査では、確定はできないが、今日の痛みはおそらく卵巣嚢腫(のうしゅ)の一部が破れた痛みではないかとのことでした。もっと大きく破れていたら、意識障害を起こすほどの痛みになっていたと言われ、やっと事の重大さに気付いたのです。
そして詳しい検査をするようにと、大きな病院の紹介状をもらい後日受診しました。紹介された市民病院の産婦人科では、МRIを撮り、そこで子宮内膜症、両側のチョコレート嚢腫の診断を受けました。
その後、生理のたびに起こる痛みと発熱
市民病院では、「5cm以上に腫れた卵巣は、捻転の危険性がある。次に破裂したら緊急オペになるので、そうなる前に手術でチョコレート嚢腫を摘出したほうが良い」と説明を受けました。
チョコレート嚢腫は早期にホルモン剤治療などを始めれば、進行を抑えることができるそうです。私は気付いたのが遅く、手術で摘出せざるを得なくなりました。しかし、すぐに手術をする決断には至りませんでした。
移動して間もない職場では長期の休み希望を切り出しにくいこともありましたが、何より手術が怖かったのです。しかし、その後の生理では今までよりも強い痛みと、発熱までするようになりました。
またその次の生理のときは40度の高熱が下がらずに入院。本当につらい思いをして、やっと手術に踏み切ることができました。
手術後から現在まで
私の卵巣は左は約3cm、右は約8cmまで腫れていました。両方切除することで女性ホルモンが分泌されずに更年期の症状が出てくるので、右は卵巣ごと切除し左は嚢腫のみを切除し、卵巣は温存しました。
温存するということは再発のリスクがあるので、生理が来ないようにするためのホルモン剤を術後から飲み続けています。手術はやはり痛みも不安も伴いましたが、卵巣を切除し、薬のおかげで生理もストップし、生理痛に苦しむことも、そして何よりいつ卵巣が破裂するのか……という恐怖からは解放されています。
まとめ
私は婦人科に行く面倒くささと日々の忙しさにかまけて、受診や検診を避けてきました。しかし、あの日起こった激痛のSOSのおかげできちんと調べることができました。あのとき、いきなり卵巣破裂していたら……と思うと今でも怖いです。自分の健康は自分で守るもの。体の異変に気付いたら早めに受診しておくことの大切さを身にもって知りました。
今は半年に一度婦人科を受診し、温存した左の卵巣が大きくなっていないかチェックしています。痛みなどはなく落ち着いていますが、ホルモン剤の副作用なのか、時々ホットフラッシュのような症状はあります。40代半ばも過ぎ、健康でいられるために自分の体と向き合っていこうと思います。
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※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
イラスト/エェコ
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