また畑が荒らされた!
ある朝、子どもたちを起こす前に畑へ野菜の様子を見に行ったパニ母。そこでビックリの光景を目にします。「また荒らされた!」……なんと、今日収穫予定だった野菜がごっそり盗まれていたのです。
しかも、盗むだけではなく畑がめちゃめちゃに荒らされていて、残っていた野菜も傷が付いたりつぶされたりしている始末。ただ、今回が初めてというわけではなく、ここ最近ひんぱんに同じような被害に遭っています。夫をたたき起こして報告すると、なんとか今日の出荷分には影響しないようで、ひと安心。
その話を子どもたちにしながら朝食をとっていると、コレ太から防犯カメラを設置してみたらどうかと提案されました。このまま放置するわけにもいかないので、「全日本エブリシング監視しちゃうぞの会」の会長を務めるコレ太にお任せすることに。
防犯カメラに映っていたのは…?
数日後ーー。
再び畑泥棒の被害に遭ったパニ母一家。しかし、今回は防犯カメラを設置しているので、犯人の姿が映っているはず。期待しながら映像をチェックしてみると、パニ子が部活で着ているチーム名入りのジャージを着ている犯人らしき人物が……。「ま、まさか……」と、パニ子は言葉を失います。
犯人がわかったら警察に突き出そうと思っていたパニ母も、それがパニ子の大事なチームメイトとなると、決心が揺らいでしまったのでした。
このとき、しっかり対応しておけば畑泥棒が調子に乗ることもなかったのですが……。
夫が開発した新種の野菜がフリマアプリに!
ある休日。
スマホをいじっていたコレ太が、パニ母の元へ飛んできました。
「フリマアプリのバッド転売ヤーを探しだしてとっちめようの会」の活動中、驚きの出品を見付けたというのです。何事かと思い、コレ太のスマホをのぞき込むパニ母。そこには夫が何年もかけて開発した新種の野菜が出品されていました。葉っぱの形に特徴があり、日ごろ見慣れているパニ母はすぐにわかったのです。
そのまま、急いで畑へと向かうと……やはり、出品されていた野菜がきれいさっぱりなくなっていた後でした。ただ、葉っぱで盗まれたものだとわかる、という今の曖昧な状況では、フリマアプリに開示請求をするのも難しそうです。
そんな様子を見ていたパニ子。「許せない」とつぶやき、「これを植えよう」と言ってとあるものを差し出します。パニ子が手にしていたのは、スイセンの球根。葉っぱはニラと似ていますが、毒があるので、うっかり食べてしまうと大変なことになります。泥棒はこれを植えたらニラと間違えて盗んでいく、というのがパニ子の計画です。しかし、いくら泥棒といっても、さすがに毒を食べさせるわけにはいきません。
パニ母がちゅうちょしていると、パニ子は真剣な目で「毒を食べさせたりはしない」と言ってきました。一体何を考えているのかわかりませんが、計画に乗ってみることにしました。
まんまと盗まれたスイセン
1カ月もすると、スイセンはすくすくと成長して予定通りニラと見間違えるような状態に。
そしてある朝。まんまとスイセンが盗まれました。パニ子を起こして報告すると、待ってましたとばかりの表情。しかし、パニ母は誰かがスイセンを食べてしまうのではないかと心配です。
そんな心配をよそに、学校から帰ってきた子どもたちは「もうすでに畑泥棒の犯人はバッチリ判明している」とドヤ顔。そして、ドライブに行こうとパニ母を誘うと、とある家の前にやって来ました。
畑泥棒だけじゃなかった
やって来たのは、パニ子の部活の後輩・カナコの家。玄関口に出てきたのは、カナコのお母さんでした。娘の部活の先輩がやって来たということで、てっきりパニ子はカナコのお客さんだと思ったお母さん。しかし、パニ子から用があるのはお母さんだと言われてビックリ。しかも「今日の夕飯はレバニラ炒めだそうですね?」と、夕飯のメニューまで当ててしまうのだから、さらに驚きます。
パニ子は「毎日の晩御飯で健康増進という理想の結果を実現するクラブ」に所属するコレ太の活動を手伝うという名目で、部員にその日の夕飯メニューを家の人に聞いてもらっていました。そして、スイセンが盗まれた翌日、ニラを使った料理にしようとしていたカナコの家に畑泥棒の犯人がいるに違いないとやって来たのです。ただ、部活のジャージを着ていたからといって、カナコが犯人というわけではありません。だって、あんなに激しい部活動をやっている子が、防犯カメラに映ったようにジャージがパンパンになるほど丸々と肥えているはずがないのですから……。
そう、犯人は目の前にいる貫禄ある体格のカナコのお母さんです。
「で、でもだからって、そ、それが私が犯人だという証拠だなんて……」
ここまできても、シラを切ろうとする様子を見て、今食卓にあるレバニラ炒めのニラが盗んだものであるなら、大変なことが起こると教えてあげました。
「待ってー!ダメ、食べちゃダメ―!」
そう言って、カナコのお母さんは大慌てで家の中に駆け込んでいき、畑泥棒の犯人であることが判明しました。パニ子が何よりも許せなかったのは、わが子の汗と涙がしみ込んだ部活のジャージを使って悪事を働いていたこと。神聖なジャージが汚されたような気がして、悲しかったのです。
そしてどうやら、カナコのお母さんはスーパーやコンビニでも窃盗を繰り返していたらしく、他にも被害者がゴロゴロ出てきたのだとか。今では子どもや夫からも見放され、実家にたたき返されたそうです。
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農業を営む専門家ならではの知識を活かした、畑泥棒への復讐劇でした。家族のためを思って節約やお小遣い稼ぎをしたかったなら、もっと違った方法を見付けていれば、何もかも失うことはなかったのかもしれないですね。
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