姉妹喧嘩が一転、大惨事に!
長女は高機能自閉症という診断が出ており、生後9カ月ころからかんしゃくがありました。長女が4歳のころ、保育園帰りの買い物の途中で姉妹でカートの争奪戦が始まり、交代交代で押すように促しました。普段なら聞き入れてくれるのですが、その日かなり機嫌の悪かった長女。
その場で大声で泣き叫びながらあお向けになり、飲み物が陳列してある棚を、足で蹴り出しました。普段なら私が落ち着いて声をかければ、長女も次第に落ち着いてくるのですが、その日はまったく納まりません。
長女を見るお客さんたち…
他のお客さんも長女を見ていて、ひどく私自身が責められているような気持ちに……。暴れ続ける娘に怒鳴ってしまった直後、1人の見知らぬ女性に声をかけられました。
その女性が「どうしたの? お母さん困っちゃうよ?」と長女に話しかけると、さっきまで暴れ続けていたことが嘘のようにピタッとかんしゃくが納まりました。
その女性は長女をやさしく諭し、私にも、「大変だったね」と一言。思わず、その方に長女が発達障害であることを伝えると、「お母さん、頑張ってるね。大丈夫、大丈夫!」と、励ましてくださり、気がつくと涙が……。普段から長女のかんしゃくで悩んでいた私にとって、その一言は本当に救いでした。
当時の私は、周りに長女のことを相談できる人も少なく、長女のかんしゃくが起きるたびに責められているような気持ちになっていました。ですが、この出来事がきっかけで温かい目で見守ってくれている人もいることに気づきました。私も、お子さんのかんしゃくでママが困っている場面と遭遇したら、声をかけようと思います。
著者:なか さおり/30代女性・主婦。2017年生まれの長女、2018年生まれの次女、2022年生まれの三女のママ。長女は高機能自閉症、次女は発達障害グレーゾーン。発達障害児の育児経験などを執筆中。
イラスト:海乃けだま
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています