産後の動悸の原因は、まさかの…!?
慣れない育児で寝不足が続いていた日々。夫も協力してくれていましたが、疲れはたまる一方で、なんとなく体調が悪いと感じていました。やがて娘が生後3カ月を過ぎたころ、急に動悸が始まったのです。
看護師をしている私は「動悸」の原因として、「心臓系の疾患」もしくは「精神疾患」が頭をよぎり、不安が募ります。
動悸はどんどん強くなり、「もし精神的な病気と診断されて、入院になったらどうしよう……」と極端なことまで考えてしまいました。
1、2時間経っても症状が治まらないため、娘を連れて内科を受診。医師からは「貧血かもしれませんね。採血してみましょう」と言われ、精神的な病気ではなさそうだと、少しホッとしながら結果を待ちました。
検査の結果、下された診断はなんと「脱水」。水分不足が原因で動悸が起きていたのです。
たしかに、家事と育児に追われ、水分補給を忘れがちになっていたかもしれないと心当たりがあった私。医師からは「授乳中は普段より多く水分をとるように意識してください」とアドバイスを受けました。
受診後、私は早速ペットボトルの水を飲み、帰り道にドライブスルーで久しぶりにソフトクリームを購入。それは、なんてことのない普通のソフトクリームでしたが、今まで食べた中で一番おいしく感じられました。
その瞬間、「産後からずっと頑張りすぎていたんだな」と、改めて自分の状態に気づいたのでした。
帰宅するころには動悸も落ち着き、娘はお昼寝中だったので、私も久しぶりに横になって休むことができました。それからは、娘のことだけでなく自分の体調も気にかけるようになり、食事中や食間もこまめに水分をとるようにしたところ、動悸は起こらなくなりました。
初めての出産で、子どものことばかりに気を取られ、自分の体調を後回しにしていたことに気づかされた出来事でした。今思えば、ソフトクリームくらいいつでも買えたはずなのに、そんな余裕すらなかったのだと感じます。心配性な性格もあり、あれこれ考えすぎてしまいましたが、あのとききちんと受診して本当によかったです。
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授乳中は水分の消耗が多く、気づかないうちに脱水状態に陥ることがあります。水分不足は、動悸やめまい、頭痛など、さまざまな体調不良を引き起こす原因になることも。忙しい育児の合間でも、こまめな水分補給を心がけましょう。
室内でも、身近にペットボトルやタンブラーを置いておくと安心です。食事の際に味噌汁やスープを取り入れるのも良い方法ですね。
また、体調に異変を感じたときは、まずは十分な休息と水分・栄養補給を。それでも症状が続く場合は、「疲れているだけ」と思い込まず、早めに医療機関を受診してくださいね。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:小嶋みほ/30代女性。2019年生まれの女の子と2021年生まれの男の子のママ。6年間の医療事務経験を経て、現在は看護師8年目です。ワーキングママとして日々奮闘中。
イラスト:ななぎ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年3月)