男女関係なく一緒の部屋!?
彼と初めて出会ったころの私は、住み込み限定の職場で働いていました。現場仕事のようなイメージです。職人たちが寝泊まりするために与えられる部屋は、男女関係なく2人で1室を使います。ワンルームの部屋の中に壁はなく、空間を仕切れるものはたった1枚の薄いカーテンのみ。
はじめは私ひとりで1室を使わせてもらっていたのですが、そんな状況で途中から現場に参加したのが彼でした。私はこれまでと同じように部屋を独占することができなくなり、必然的に彼と一緒に暮らすことになったのです。さすがに異性と2人きりで同じ部屋に寝泊まりすることには抵抗がありました。
あとから聞くと、当時の彼も私と同じ気持ちだったようです。
一緒に暮らし始めると…
朝から夜まで仕事中は一緒に作業をしていて、お昼休憩で部屋に戻ってひと休みするときも、仕事が終わってから寝るまでも、もちろん朝起きたときも、彼とはずーーっと一緒にいるため、お互いに素顔を隠して自分の印象をよく見せるなんてできず、ありのままの自分をさらけ出すしかありませんでした。しかし、今になって振り返ってみると、私にとってはそれが良い方向に働いたのです。
私には対人関係で無意識のうちに自分を取り繕ってしまうところがあり、会話を盛り上げようと相手が発した言葉に対してオーバーリアクションをとったり、無理に笑ったりするクセがあります。そんな私ですが、朝から晩まで彼と過ごすうちに、他人と一緒にいても「無理に笑わない」「無理に話さない」「ボーっとする」といったことが、自然とできるようになっていったのです。
これまで、一般的な流れで男性とお付き合いに発展したときは、作り笑いをしたり、会話を続かせるために頑張って話題を振ったりと、交際相手に対して気をつかうシーンが多くありました。その結果、私が気疲れしてしまって別れに繋がったケースもあります。
彼は私が出会った男性の中で唯一、「気をつかわずに自然体で過ごせる相手」となったのです。
いつの間にかお互い好きになっていて…
しばらく一緒に過ごすうち、いつからかお互いに好印象を抱くようになりました。おそらく彼も私と同じ気持ちで、一緒にいてラクだと感じていたのだと思います。こうして、私たちはとても自然な流れでお付き合いをすることになりました。
すでに同じ部屋で生活を共にしているので、お互いに隠したいところもありません。付き合いたてのカップルのような新鮮味やラブラブ感はまったくなくて、私たちの場合は、付き合い始めたときからとても居心地の良い関係が自然とできあがっていたと思います。
何も知らない相手といきなり一緒に住むことになったときには、さすがに抵抗がありました。しかし、八方美人なところがあって、他人に対して気をつかってしまいがちな私の性格には、一般的な交際パターンよりも、何も知らない相手との同棲から始まり、ありのままの自分の素顔を曝け出さざるを得ないような、今回のような特殊な交際パターンが合っていたと感じます。結婚生活を送る中で「この人に出会えてよかった」と感じる場面はいくつもあり、彼との相性の良さも実感しています。
著者/松 茉莉花
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