派手な金髪に短いスカート、厚化粧に香水のキツイ香りをまとうユキ。その上口の利き方も悪く、先輩の私に向かって「30歳っておばさんですよね」 「その歳で彼氏いないなんて終わってますね」と言って笑います。
勤務態度も不真面目で、ミスを人に押し付けることもしばしば。ユキは途端に社内の嫌われ者になってしまいました。
笑顔で我慢を貫く理由
しかし私は、ユキがどんな態度でも笑顔で我慢を貫いており、同僚たちから心配されるほどでした。本当は怒ってやりたい気持ちでいっぱいの私でしたが、じつはユキの重大な秘密を握っており、仕返すタイミングをじっと待っていたのです。
会社に知られてはいけないユキの秘密、それは……人事課の課長とのイケナイ関係! たまたま目撃してしまった私は、いつか仕返しをするその日に向けて、証拠を集めていました。
いよいよ反撃!
とある金曜の夜、ユキと課長の密会を聞きつけた私は、こっそりと尾行。彼らの楽しそうな姿を写真や映像にバッチリ収めることに成功しました。
翌日、早速社長に報告。ユキの業務態度や課長との関係を知り激怒した社長は、すぐさまユキと課長を呼び出しました。
噂を社長に問いただされて一瞬動揺した2人でしたが、課長は「教育係にいじめられたユキを慰め、相談にのっていた」という嘘をでっちあげ、ユキは涙ながらに同意します。
信じられない展開に私は白目に……。同席した幹部も、彼らの猿芝居に怒りを通り越して呆れてしまいました。
濡れ衣を被ったままではいられない私が証拠を突きつけると、2人はとうとう降参。既婚者である課長の社内不倫のほか、ユキの不正入社までも、すべて明るみに出ることになりました。
自業自得の結末
不正入社がバレたユキはクビに。同じくクビを言い渡された課長は、社長に泣いてすがりました。しかし容赦ない社長の態度に負け、最後はしぶしぶ会社を去ることに……。
ユキの失礼な発言に耐えてきた甲斐がありました。彼らが会社からトボトボと去っていく後ろ姿には同情の余地もありません。
せめて同僚への態度が違っていて、もっとユキが好かれていたなら、違った未来があったのでしょうか? 早い段階で不倫を止めてくれる人、困ったときにフォローしてくれる人、そんな存在がいたら、こんなに残念なことにはなっていなかったかもしれませんね。