共働きを否定する義母
家族で義実家を訪れたときのこと、待ちかねていたように義母が現れ「あなた、まだ仕事辞めてないの?」「家事も育児も中途半端になるくらいなら、仕事なんて辞めたらいいのに!」と、また私を責めてきました。夫はいつも義母の前では私をフォローしてくれません。
帰りの車の中で謝罪してきた夫に、私は「お義母さんの前でフォローしてほしい」と伝えました。しかし、夫は「母さんは世間知らずなんだよ」「俺がお前の気持ち、ちゃんとわかってるからさ。そんな怒んなよ!」と、まともに取り合ってくれませんでした。
夫が手作りを強要するように…
しかし、口ではそう言っていた夫も、次第に義母の考えに染まっていったのか、以前は私の味方だったはずが、変わり始めたのです。
ある日、夫が「上司の奥さんから」と、手作りの巾着袋と髪飾りを娘に持って帰ってきました。完成度の高いハンドメイド品に感動した夫は「手作りしたほうが愛情たっぷりじゃん!」「既製品はダメだ! お前も手芸とか始めろよ!」と言い出しました。その言い方は、まるで「女は家で手仕事をしてこそ」という義母の主張そのものでした。
さらに数日後、昼食に市販のパンでサンドイッチとサラダを用意すると、「上司の奥さんはパンも自分で焼くし、野菜も庭で育ててるんだってさ!」と、また比較を始めました。そして厳しい口調で「お前もホームベーカリーでパンを作れよ!」「野菜はベランダで家庭菜園しろよ!」「なんで同じ女なのにこんなに違うわけ?」と私を否定してきたのです。
あれほど「お前の気持ちはわかってるから」と言っていた夫が、今や義母とまったく同じ考え方で私を責めるようになり、私は戸惑いを隠せませんでした。
冷凍食品を「手作り」と勘違いする夫
好き放題言いたいことだけ言って、そのまま出かけてしまった夫に嫌気がさした私は、ある反撃を思いつきました。
その日の夜、私が娘と夕食を食べていると、酔っぱらった夫が帰宅。
「ハンバーグを作ったけど、食べる?」と尋ねると、「お〜食べる食べる!」と上機嫌な夫。
そして食卓のハンバーグを一口食べて、「やっぱり手作りの料理はうまいな~! 俺にガツンと言われて反省したか」と得意げに言いました。
「それ、有名なメーカーの冷凍食品だけど?」
私が冷静にそう言うと、夫は「なんだと!? 」と怒り始めました。
手料理と冷凍食品の違いもわからないくせいに、やたらと手作りを強要する夫。もう愛想が尽きました。
私は「はい、これプレゼント♡」と、記入済みの離婚届を渡しました。手作りの強要だけでなく、私に隠れてパチンコで散財している夫にもう我慢できなかったのです。
思いやりのないダメ夫を成敗
夫はそこでやっと事の重大さを理解したようでしたが、「冗談だろ」「俺が悪かった、もう手作りとか言わないから!」と慌てて私を引き留めようとしました。 「母さんも、この前は言い過ぎたって反省してたし……」などと義母の話まで持ち出してきましたが、どうせその場しのぎの嘘でしょう。私の決意は変わりませんでした。
私は娘を連れて家を出て、すぐに弁護士に相談しました。
離婚に向けての話し合いを進めていくうち、夫が家計のお金だけでなく、私個人のお金(独身時代の貯金)まで使い込んでいたことが明らかになったのです。
使い込みの証拠と、これまで私が日記に記録していたモラハラな言動を弁護士から突きつけられ、夫は抵抗を諦めて離婚に応じました。
私は夫に使い込んだ貯金の返還と、毎月の養育費の支払いを要求し、離婚が成立。私の名義で契約していた賃貸マンションも解約し、元夫は退去していきました。彼が今どこでどうしているか、私は知りません。
一方で私は、離婚後さらに仕事に打ち込み、昇進を果たしました。今は実家で両親にサポートしてもらいながら、娘と穏やかな生活を送っています。
今回の経験で、夫婦関係はお互いの理解と協力が不可欠だと痛感しました。相手にないものばかりを求めると、信頼関係は簡単に崩れてしまいます。これからは、娘と二人、お互いを思いやりながら新たな人生を歩んでいきたいと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。