彼の実家に行くと、彼の母親にいきなりお茶をかけられて追い出されてしまいました。ごく普通の一般家庭で育った私ですが、資産家一家の母親のお眼鏡にはかなわなかったようで、「惨めな貧乏人の分際で、うちの息子と結婚しようだなんておこがましい」と言われ……。どうやら私を見下している様子。
貧乏人に息子はやらん
私の両親が共働きであること、私が公立の学校にしか通っていないことをあげつらう彼の母親。一方で、別荘を6つ持っていて、家族旅行もし放題だと自慢されました。
「貧乏人に息子はやらんw」
「アンタなんて所詮、息子の金目当ての銭ゲバよ!」
「では、破談で結構です」
「二度と顔を見せるなw」
早々に彼の母親の説得を諦め、その場をあとにしました。
私は諦めない
2時間後――。
母親から婚約は破談になったと聞いた彼が焦って私に連絡をしてきました。破談になったことを私からも告げると、「そんな……」と落ち込んでしまいます。
そんな彼を見て私は「一度は別れるけど、彼のことは諦めたくない」そう決意。そして、「要はお母さんに私のことを納得させればいいんでしょ?『ぜひ息子と結婚してください』って言わせてやるわ」と宣言しました。
1週間後――。
再び彼の母親と対峙した私は、「『釣り合っている』というのはどういう状態のことでしょうか?」「どうしたら雄太くんとの結婚を認めてもらえるんですか?」と聞きました。
「最低限、わが家と同じくらいの財力がないと認められないわね」「全員合わせて20億ほどは余裕であるかしら」と答える母親。私は間髪入れずににっこり言いました。
「資産に20億くらいでいいんですよね、それぐらいなら十分わが家にもあります」
彼の母親はとても驚いていましたが、「私の祖父、実はアラブの王族なんですよね」と事実を突きつけました。
実は、私の祖母はアラブの王族の1人と結婚して、王族の嫁として迎えられていたのです。亡くなった祖父の財産を相続する代わりに王族を抜け、祖母は父を連れて日本に帰国。祖母も両親も資産にはあまり手を付けず、質素な暮らしを送っていました。
彼の母親は言葉を失っていました。
息子の婚約者を貧乏人呼ばわりした母親の末路
2日後――。
私の話が本当だったことを知った彼の母親が手のひらを返してすり寄ってきました。なんと、私たちの結婚式に着ていくからと、300万円もする特注の着物を私にねだってきたのです。
しかし、彼はそんな母親に対し、「俺たちの結婚式に母さんを呼ぶつもりはない」「もう彼女に構わないでくれ」とブロックしました。彼は私を金目当てなどと言った母親と、縁を切るつもりで動いていたのでした。
さらに、彼の父や祖父母も、他人を見下す母親に以前からほとほと呆れていた様子。祖父母は遺産を母親に残さないことを決め、彼の父に至っては離婚を考えていると言いました。
その後――。
無事に入籍し、身内だけの小さな結婚式を挙げた私たち。彼の母親はもちろん招待しませんでした。母親の処遇については、雄太の父、祖父母との話し合いの中で、私に謝罪することと、今後の言動が変わらなければ問答無用で離婚することが言い渡されたようです。
どんな環境で育ったとしても、他人のことを「貧乏人」などと言ってはいけませんよね。彼のお母さんの言動は普通ならそのまま離婚されてもおかしくないものでしたが、チャンスをもらえてよかったですね。