彼の実家に、結婚の挨拶に行ったときのこと。そこには、美人インフルエンサーとして活動している彼の妹がいました。しかし、義妹は私を見るなり水をかけてきたのです。そして、「ブスなんかを視界に入れると私の目が腐っちゃう」と罵詈雑言の嵐。
「私のイメージが崩れる」
ろくに挨拶もできないまま、私は彼の実家を追い出されてしまいました。義妹は「超地味顔のお兄ちゃんはどうでもいい」「私の義姉がブスだなんて絶対に許せないの。私のイメージが崩れるじゃない」と、私の容姿に不満がある様子。
「ブスが家族になれると思うなw」
「この私の姉にアンタは相応しくないのよ!」
「小娘が…後悔するなよ?」
「さっさと失せろw」
汚物のような扱いを受けた私は、あまりの屈辱に震えてしまいました。
1時間後――。
私と義妹のやり取りの一部始終を見ていた彼は、私に平謝りしてきました。彼によると、義妹も昔は普通の女の子だったそう。SNSでもてはやされるようになり、だんだんと態度が大きくなっていったのだとか。
両親も最初は注意していたものの、インフルエンサーとして大金を稼ぐようになってからは義妹の太鼓持ちに。便利なマネージャーのように扱われていた彼も苦労していた様子です。
彼は私を傷つけたくないと、「両親と義妹との縁を切りたい」と言いました。私はそれを聞いてとても安心し、今週末予定している私の実家への挨拶に話題を移しました。
私の秘密を教えてあげると
3日後――。
義妹は挨拶に来た私を隠し撮りしていて、その動画にモザイクをかけてSNSにアップ。なんとそれは、兄の婚約者がブスだと話す動画。その動画は拡散され、私のもとに回ってきたのです。
勝手に動画をアップされたことと内容に私は憤慨しました。そして、義妹のファンが書き込んだ心ないコメントに傷ついてしまいました。しかし、義妹は「客観的な世間の声が聞けて良かったじゃん」「早くお兄ちゃんと別れてよね」と意に介さない様子なのです。
彼と別れるつもりがなかったので私がそう告げると、義妹は「ブスのくせに生意気言ってんじゃないわよ」「私の言うこと聞かないなら、今度はモザイクなしで動画に載せちゃうよ?」と脅してきました。
「動画をアップしたいならお好きにどうぞ。肖像権侵害で訴えるだけ」「そして今進めているスポンサー契約は白紙にさせていただきます」と私は堂々と伝えました。
義妹は私が突然スポンサーの話をしたことにとても驚いている様子。「小さいブランドからの依頼はたくさん来てたけど、最近大手化粧品会社のミドリ堂からも新商品のイメージモデルの依頼が来たんだから!」とまくしたてて伝えました。
そして、「その我が社の新商品のイメージモデルの話は白紙にさせてもらうね」と言いました。私はミドリ堂の広報部門の部長で、さらにミドリ堂の重役の娘でもあるのです。
新商品のテーマが「もっと美しく」であることから、たくさんの会議を重ねて義妹を起用することを決めたのは私でした。
「外見と一緒に内面も磨かないと美しくない」と伝え、焦る義妹を置いて、義妹以外のイメージモデルを選定するため、私はすぐさま会社に戻りました。
燃え上がる義妹
1週間後――。
私は宣言通り、義妹をイメージモデルから外しました。大型案件を白紙に戻され、動画も炎上気味。私に「仕事がどんどん減っていく」「ファンも『最近は美人自慢が多くてキツイ』と離れていく」と泣きついてきました。
義妹は謝罪動画を出し、兄との結婚も認めるから、代わりにイメージモデルとして起用してほしいと私に懇願してきました。
そこで私の彼が代わりに答えました。彼と彼はちょうど結婚式の真っ最中。簡単な式を終えて、ウェディングフォトを撮りに向かっていたのです。
彼は、両親にも義妹にも結婚式のことを一切伝えませんでした。人の容姿を馬鹿にする義妹や、それを笑って見ていた両親との付き合いに限界を感じていたのです。
彼、つまり兄からの絶縁宣言に義妹は慌てふためきました。両親は義妹の収入をあてにして早期退職したのですが、肝心の義妹の収入が炎上により激減。息子や私の収入がないととてもやっていけない、と追いすがってきたのでした。
しかし、彼は「お前にはそのご自慢の顔があるだろう」「馬鹿にしていた俺たちに頼るなんて、情けないと思わないのか?」と言い返します。そして、彼は妹との連絡を絶つのでした。
その後――。
炎上後、いくらインフルエンサー活動をがんばっても人気が戻らない義妹。「炎上から私を守ってくれないファンが悪い」「アンチはファンがどうにかしろ」という失言により、さらにファン離れが進んでしまいます。
美醜の感覚や美意識は人それぞれ。外見で他人を馬鹿にしていた義妹の炎上は、自業自得と言えるでしょう。外見も内面も美しい人になりたいものですね。