「何買ったの? 家まで持って行ってあげましょうか?」こう言って、私が何を買ってきたのかチェックしようとしているのは、お隣の奥さんです。娘が同い年で仲が良いこともあり、ママ友として付き合っていますが、正直苦手! その理由は……。
ママ友の“クレクレ”攻撃
買い物から帰ってきたタイミングでママ友が声をかけてくるのは「荷物を持ってあげたお礼」を要求するため。断ったところで、勝手に荷物を奪って運んでいき、買い物した荷物の中から目についたものを持っていってしまうのです。
ママ友の“クレクレ”の被害にあっているのは私だけではないようで、この辺ではすっかり要注意人物として見られています。こんな人が隣に住んでいるなんて正直キツいのですが、簡単に引っ越すわけにはいかないので我慢するしかありません。娘同士が仲良しということもあって、強く言えずに困り果てていました。
夫にまでクレクレしてくる強者
ママ友の“クレクレ”要求はついに夫にまで及びます。ある夜は夫が買って帰ってきてくれた、私と娘のためのスイーツに目をつけていたよう。夫は「ご主人におねだりしてみたらいいじゃないですかぁ~w」と言ってうまく逃げたと話します。
そもそも夫は小麦アレルギーで、持っていたスイーツは自分が食べられないもの。だから2つしか買っておらず、譲れる余裕もないと説明してくれたそうです。それを聞いて納得したのか、この日はママ友に奪われることなく、ちゃんと私と娘のもとにスイーツがやってきました。
でも、いつも何かしら手に入れるまで去ってくれず、ときには強奪していくお隣さん……。なんだか素直すぎて嫌な予感がします。
危険すぎる高級パン
週末ーー。
お隣さんは巷で話題の超高級パンとおしゃれなデパ地下のサラダを持ってやってきました。「おすそ分け」だというお隣さん。正直、耳を疑いました。でも、持ってきたくれた超高級食パンは私と娘の大好物。ありがたくいただくことにしたのです。
早速朝ごはんに超高級食パンを切り分けた私。サラダを添えて、いざ食べようとしたところで夫が起きてきたので、お隣さんにもらったと伝えました。
すると、夫の顔色がみるみる変わっていき……
「それ、食べちゃダメ!!」と言って、私と娘からパンが乗ったお皿を奪い取ったのです。
お隣さんとの付き合い方
お隣さんの家へ向かった夫がインターホンを押すと、待っていましたとばかりに奥さんが出てきました。「実は妻子の体調が急に悪くなっちゃったんですよね」と夫がいうと、いっきに目が輝きました。
「奥様と娘さんの具合が悪いなら、私がおうちのことをやりに行きますね!」
なんとお隣さんの次なるターゲットは夫! 私の代わりに家に上がり込み、じわじわと妻の座を奪おうとしていたのでした。
「お気遣いありがとうございます」という夫のひと言を聞いて『自分は受け入れられた』と勘違いしたお隣さんは、信じがたいことを話し始めました。
「奥さんに渡したあのパンの素材とサラダの具材は、食べ合わせが最悪なの。あなたは小麦アレルギーって聞いたからパンは食べないでしょ? こうすれば確実に奥さんと娘さんだけを体調不良にできると思ったの」
夫の勘はビンゴ! あのお隣さんが何かをくれるなんて、絶対に怪しいと思ったよう。スマホの音声録音機能をONにして、会話をすべて録音していたのでした。それを知ったお隣さんは真っ青に……。
この録音データ、お隣のご主人に突きつけても良かったのですが、持ってきたパンの素材とサラダの具材の食べ合わせは、単なる迷信……。娘の友だちの両親が険悪になるのは気が引けるので、二度とこんなことは企まない、わが家には必要以上に関わりを持たないことを約束してもらい、この件は私たち夫婦の心に留めておくことにしました。
一生付き合うことになると思うと、お隣さんに対して毅然とした態度が取れなかった私でしたが、伝えるべきことはしっかり伝えるべきだったと学びました。隣人は選ぶことができないので、適切な距離感を持って付き合っていきたいと思います。