披露宴から数日が経ち、義姉がレストランにランチにやってきました。オーダーしたのはうちの店で一番高級なランチコース。披露宴のお礼のつもりで、食事をしにきてくれたと思った私たち夫婦でしたが、いざ食事が終わるとーー。
お金取るの?
「とっても美味しかったわ! それじゃあまた来るね!」
帰ろうとする義姉に、ランチコースの代金を請求すると、義姉はビックリして「え? お金取るの?」とひと言。もちろん私も多少のサービスは考えていたものの、無料というのはさすがに無理があります。結局義姉は何を言っても聞く耳を持たず、そのまま嵐のように去っていきました。おそらく、最初からタダで食べるつもりで来ていたのだと思います。
披露宴ではお祝いも兼ねて、お料理は私たちからプレゼントさせてもらいましたがで、あれは結婚のお祝いです。毎回タダなんて、図々しいのではないでしょうか。
図々しい団体客
翌週、義姉は友だちを連れてレストランにやってきました。総勢6名! お店はそんなに広いわけではないので、予約なしで6人分の席を用意するのは難しいのですが、そんなのお構いなしと勝手にテーブルを移動させます。
予約のお客様もいる以上、そんなことをされては困るといっても、友だちを連れてきてあげたんだからと言って、強引に席を作ります。お客様が少ない時間帯だったのがせめてもの救いです。
どんどんオーダーする義姉一行。大声ではしゃいで食べ散らかして、一向に出て行く気配がありません。そろそろ予約のお客様も来るころだったので、やんわり帰ってもらうように伝え、渋々おひらきになりました。
私が義姉のもとへ伝票を持っていくと、またしても例の言葉が……。
「親族なんだから全部タダよね?」
友だちはタダで食べられていると聞いていたのか、口々に「ごちそうさまでした〜」と言ってお店を後にしています。しかし6名分となると、かなりの金額。お店は大赤字になってしまいます。支払ってほしいと強めに言ったのですが、義姉はためらいもなく店を出て行きました。
意地悪なんかしてないけど?
その夜、兄から電話がかかってきました。それも、謝罪ではなく私へのクレーム! 義姉は、私に意地悪された、と兄に言ったようです。
これまでのことを洗いざらい話すと、兄はとても驚いていましたが、それでも、ここ最近義姉に対してなにか思うところがあるようで、私の話をちゃんと信じてくれました。どうやら義姉は、兄になんの相談もせずに仕事を辞め、兄のお金を散財しているそう。兄は大手企業に勤めているので、もしかして結婚はお金目当てだったのかもしれません……。
義姉が兄と結婚したワケ
それから1週間。その日も義姉はお店にやってきました。コースを注文してデザートまで堪能し、お金を払わずに出ていく、いつものパターンです。
店を出ると、そこには兄が待ち構えていました。兄は興信所を使い、義姉に彼氏がいることを突き止めていたのです。兄には酷でしたが、義姉は定職につかない彼氏との関係を続けるために、安定した職のある兄と結婚したよう。兄の貯金を浮気相手に貢ぐ計画を立てていたのです。兄はもちろん離婚を決めています。慰謝料とともに、踏み倒した飲食代も請求してもらうことになったのでした。
受けているサービスに対するお金を払うのは当然のことです。「親族ならタダ」という、とんでもない主張をしてくる義姉でしたが、身内だからといって甘えるのは間違っていますね。