どこまでも義妹ラブな私の夫。私との約束をドタキャンして、義妹の呼び出しに応じることもしょっちゅうで――?
頼れる兄…?
朝目覚めると、隣で寝ていたはずの夫がいませんでした。慌てて連絡すると、深夜に義妹に呼び出されて、そのまま実家にいるそう。
今日予定していたドライブデートはキャンセル。前々から義妹を優先しすぎる夫に思うところはありましたが、とりあえず今回の呼び出しの内容を聞いてみることに。
「大学の奨学金の保証人になってくれないかって頼まれたんだ」と言う夫。これは夫婦での話し合いが必要だな、と私が思っていると、「奨学金の保証人はもちろんOKしてやったよ。必要書類にも全部サインしてやったしな」と事後報告。どうやら、義妹に頼られることがうれしくて仕方がないみたいです。
さらに、家計から義妹に毎月3万円のお小遣いを渡すよう要求してきた夫。しかし、家計には私の収入も含まれているのです。私が「で、でも……」と反対しようとすると、「旦那が振り込めって言ってるんだから大人しく振り込めばいいんだよ!」と一喝されてしまいました。
「こんないい部屋に住めるなんて!」
1年後――。
わが家に突然訪れた義妹。「こんないい部屋に無料で住めるなんて最高!」「これからよろしくね!」と言ってきた義妹に、私は目を疑います。
夫は私に無断で、義妹の居候を許可していたそう。さらに、大学を半年で中退していたらしい義妹。今度は私たちの家に住みながら、東京で仕事を探すと張り切っています。
来てしまったものは仕方がないと思った私は、居候の条件として家賃や生活費を提示しました。家は私が結婚前に購入したもので、ローンの支払いにはかなり苦労しました。
しかし、義妹は「家族からお金を取るつもり!?」と猛反対。減額する代わりに家事をお願いしようとしても、「この家は兄夫婦のものなんだから、家事も兄夫婦がやりなさいよ!」とわがままばかり。
最終的に「お兄ちゃんにチクってやるからね!」と言われて、私は返す言葉を失うのでした。
温厚な妻のブチギレ
1時間後――。
宣言通り、夫に泣きついたらしい義妹。怒った夫から、私に「俺の大事な妹に家政婦になれって言ったらしいな!」とメッセージが届きました。
いつもは大人しく夫の言うことに従っていた私ですが、毎日義妹の世話までしないといけないと思うと、黙ってはいられません。「最低限の家賃や生活費を払わないなら居候は認めない」と言うと、夫はさらに激昂。
「今日から妹も一緒に住むんだ!」
「それが嫌ならお前が出て行けw」
「お前が出てけよ、シスコンが」
「え?」
義妹を優先してばかりで、私のことを見下してきた夫に、堪忍袋の緒が切れました。いつもとキャラが全然違う私に驚いた様子の夫ですが、「旦那の俺を追い出そうとするなんて!なんてことを言い出すんだ!」と返してきました。
しかし、この土地も家もローンもすべて結婚前に私が購入した私名義のもの。この家の家主は私です。
「奨学金の保証人として滞納分を支払わないといけないもんね?」と言うと、夫は戸惑いました。義妹が大学を中退したことを知らなかったようです。
義妹の借りていた奨学金は、大学を辞めた直後から返済しなければならないものでした。義妹の奨学金の返済は、すでに半年分滞納されていたのです。義妹は返済の連絡を無視しているようで、今度は保証人である夫に返済の連絡が来ることは必至でした。
「あ、あいつ……。たった1年のために500万近く借りてたはずだ……。」
そう言うと夫は言葉を失うのでした。
借金を背負ったシスコン夫なんかに、もう用はありません。「今すぐ出て行って」とだけ告げて、私はやり取りを切り上げました。
その後、義妹を家から追い出した夫から、「やり直したい」との連絡が。「今まで好き勝手して悪かった!」「謝るからどうか、離婚を考え直してくれないか!?」と懇願する夫。どうやらあんなにかわいがっていた妹にもブチギレている様子で、もう会話もしていないと言います。
しかし、私にやり直すつもりはありません。「これからも頼れるお兄ちゃんとして義妹を支えてあげてね!」とだけ言って、私は夫の連絡先をブロックしました。
その後も、なかなか離婚に応じてくれなかった夫。しかし、弁護士を入れた途端、ビビったのか離婚届にすぐサインをしてくれました。お気に入りの自宅で大好きな猫に囲まれて楽しい生活を送っている私。夫と離婚してよかったとつくづく思っています。