ある土曜日、私は夫に「浮気してないよね?」と聞いてみました。これは、私たちにはなんでも言いあえる関係性があると信じていたから。しかし夫はなぜか激怒し、そのまま出かけてしまいました。
その夜、帰宅した夫は、夫の欄だけ記入された離婚届を突きつけてきたのです。
夫からの警告
ワケがわからない私がポカンとしていると、夫は「これは警告だ! 今度、不倫を勘繰るようなことを言ったら、お前にこの離婚届を書かせて提出させるぞ!」と脅します。
たしかになんの証拠もないのに不倫を疑われて、気分を害したかもしれません。でもいきなり離婚届を突きつけるなんて、理解に苦しみます。それでも何も言えなかった私。これをきっかけに、夫の帰りはますます遅くなり、休日に出かける回数も増えていきました。
どこに行くのか、何時に帰るのか、生活を共にする夫婦なら普通にするような質問でも、聞くたびに「また不倫を疑っている」と責められるので、もはや何も聞けません。
不倫の証拠を見つけたのは…
さすがの私も、夫の不倫をほぼ確信し始めたある日のこと。夫は2週間の出張に行くと言って家を出て行きました。なんとか居場所をつかめないかとあれこれ考えていた私。
気分転換に友人と食事に出かけたところ、地元の友人・ユミのある噂を聞かされました。おとなしかった友人は、まったくの別人に変わり、地元から東京に出てきたよう。SNSの裏アカウントの投稿がすごいというので見てみると、そこには見覚えのある腕時計をした手が写っています。投稿を見ると、リゾート地に旅行に行っているようでした。
偶然にも、夫が出張と嘘をついて旅行に行っていて、その相手はユミだということを知った私。裏アカを作り、こっそり2人を見守ることにしました。
夫の会社が倒産!?
不倫の証拠は掴んだものの、これからどうしたものかと悩んでいると、テレビから聞き慣れた会社名が聞こえてきます。なんと夫の会社が倒産し破産手続きをしたようで、ポストには解雇通知が届いていたのです。
慌てて夫に電話をかけると、あからさまに嫌そうな声……。不倫旅行に浮かれすぎて倒産のニュースはまだ知らないようです。「仕事で忙しいから、そっちのことはそっちで好きにやれ」と命令する夫。私の心は決まりました。
そして迎えた、出張から帰宅する日。夫の同僚確認したところ、夫は病気療養と嘘をつき長期休暇を取得していたようで、まだ会社に荷物の引き取りに来ていないといいます。夫はどこまでお気楽なのか、まだ解雇になったことに気がついていませんでした。
「好きにやれ」と言われたから……
しばらくして私のスマホに、家に帰ったであろう夫から「鍵が開かない」と電話がかかってきました。好きにやれと言われた私は、夫の居ぬ間に借りていたマンションを引き払っておきました。気を利かせて、夫の荷物は義実家に送り済みです。本当は私だけ出て行こうかと思ったのですが、職を失った夫に家賃を払えるワケがありませんから……。
「俺の不倫をまた疑って、こんな嫌がらせをしてるのか!? 」といつものセリフを繰り出す夫。私はSNSから集めておいた不倫の証拠があること、会社が倒産したこと、もうその家は自分の家ではないことを伝えました。
常夏リゾートへの不倫旅行から帰った途端、家族・家・仕事を失った夫。おそらく、キツく当たられてつらくなった私から離婚を言い渡されるのを待っていたのでしょう。しかしSNSを駆使し不定の証拠はバッチリ。まさかの解雇も加わって、夫には天罰がくだったのだと思っています。
悪いおこないは、巡り巡って自分に戻ってくるのですね。