表立って意地悪をされるわけではないのですが、仕事が休みの日に良かれと思って家事をすると、チクチクと嫌味を言われるのです。
義母のイヤミ
例えば洗濯物を畳むと「この洗濯物の畳み方、くしゃくしゃっとして見える気がして、ちょっと私は納得いかないのよね~」と言い、掃除をしてみると「掃除ってきれいにならないと掃除って言わないのよね。まだホコリが落ちているのに、見えないのねぇ~」と言い、料理でもしようものなら「あなたは口に入れば何でも良いかもしれないけれど、私たちは舌が肥えていて味が気になっちゃうの」と、満面の笑みでダメ出ししてきます。
こんなに嫌味を言われては、休日が来るのが憂うつになってしまいます。私は、私の家事に口を出さないように言ってほしいと夫に伝えました。しかし夫は「家事をやってもらっているのだから文句を言うな」というスタンスのようで、相手にしてくれません。
楽しみにしていた家族旅行
それでも「家族なのだから」と前向きに過ごしていた私。ある夜、夫と義両親から「家族旅行に行くことにした!」と報告がありました。私たちは新婚旅行に行っていなかったので、結婚して初めての旅行。やっと家族の一員になれた気がして嬉しくなった私は、指折り数えてその日を待っていました。
そして旅行当日。目を覚ました私が隣を見ると、夫がいません。早起きして準備でもしているのかと思いきや、家のどこを探しても、夫と義両親もいないのです。
ふいにリビングのテーブルの上に目をやると、1枚の紙を発見。そこにはこう書かれていました。
「北海道に家族旅行に行ってきます!」
家族とは?
一瞬ですべてを悟った私。夫と義両親のいう『家族』に私は含まれていないのでしょう。怒りがショックを上回りました。
しかしクヨクヨしていられません。まず、家族のパソコンを開き旅行のプランをチェック。こともあろうに私のアカウントにログインし、私のクレジットカードを使って予約をしていました。私はその場で予約していた温泉旅館に連絡をし、カード不正利用による予約と伝えてキャンセルしました。キャンセル料は何も知らずにこれから向かうであろう夫と義両親に請求してもらいます。帰りの飛行機の予約も、当然キャンセルです。
次にみんなで積み立てていた家族貯金をチェック。信じられないことに、旅行に持ち出していることが判明しました。さらには私のクレジットカードまで持ち出していることがわかったので、急いで利用停止の手続きをしました。
どれもこれも許せないことばかり。これは離婚を決意した上での仕返しでした。
土産話を楽しみに待つのみ…
しばらくして、夫から電話がかかってきました。旅館に泊まれなかった上、カードも使えずに困っている様子。私は「ドロボーとは一緒に生活できません。そもそも私を家族としてみていなかったのはそちらですよね?」とピシャリ。今になって焦っても遅いのです。
ついさっきまで家族と思っていた3人でしたが、もう情けをかける必要はありません。彼らの懐事情では、新たな宿をとることもできなければ、帰りの飛行機をとることもできないはずです。決して歩いては帰って来られない北海道。夫と義両親はどうやって帰ってくるのでしょうか。帰ってきたら離婚の話を進めねばなりませんが、ひとまず彼らの北海道旅行のお土産話を楽しみに待つのでした。
『結婚イコール夫の家に入る』という考え方が薄れる昨今ですが、ここまで阻害されるのは寂しいものです。今回のケースでは「家族ではない」ばかりか寄生しているように思えてしまいますね。赤の他人だった者同士が家族として生きていくのは簡単ではないかもしれませんが、互いを尊重し、良い距離感で助け合いながら暮らしていけるといいですね。