「あー!そういえば体調不良ってことにしておいたっけw私ったらすっかり忘れてたわw」と悪びれもせず、妹の体調不良が嘘だったことを打ち明けた母。私は思わず言葉を失いました。さらに母は驚くべきことを言い出したのです……。
体調不良じゃなかったの?
「あんたの仕送りで婚活させた甲斐があったわ~!」
実は、母は私の仕送りを妹の婚活費用に充てていたのです。妹は上司と揉めて会社を辞め、外にも出られないくらい体調が悪いと聞いていたのに……。
「あんたの世話になった覚えはないわ」
「これからは金持ち旦那と結婚する妹がいるから安泰だわw」
「じゃあ今後は妹に任せるね」
「さっさと消えなw」
妹が早く元気になれるようにと、必死に自分の生活費を節約して仕送りしていた私。「たった10万円ぽっちの端金なんてもういらないw」「用済みのあんたとは縁を切るわ」とまで言われてしまい、私は腹が立って仕方がありませんでした。
私の貯金が0に!?
1時間後――。
「お姉ちゃん、今まで仕送りありがとう!」と、今度は妹からメッセージが届きました。「体調不良を信じてたなんて、お姉ちゃんったらお人好しすぎぃ~」「元気に婚活してる女が体調不良なわけないじゃんw」と、体も心も元気なようです。
複雑な気持ちにはなりましたが、「前職は上司と揉めて大変だったんでしょ?とりあえず結婚おめでとう」とお祝いすると、妹からまさかの爆弾発言が……!
「まぁ前職はぶっちゃけ自業自得で辞めたんだよねw」「既婚者の上司と浮気して、それがバレて揉めてクビになったんだからw」
本気で心配して、毎月お金を送り続けていた自分が馬鹿らしくなりました。
「もうあなたたちとは縁を切るわ」「今度実家に荷物を取りに帰る。通帳や印鑑もあるし」と言うと、「えっと……、取りに来ても無駄かも?」と言い出した妹。
「私、上司との浮気がバレた時に慰謝料請求されちゃって……」「だからお母さんに泣きついて、お姉ちゃんの貯金用口座から300万引き出して慰謝料支払ったの!」
私が学生時代にコツコツ貯めていた300万円が……。もう言葉も出ません。
「お姉ちゃんと絶縁しても、私には大企業勤めの旦那様がいるから!」「まだ20代なのにM商事で部長なの!行き遅れのお姉ちゃんからしたら、うらやましくて仕方ないでしょ?」
私にマウントを取りたくて仕方がない妹。お相手の名前や出身大学を聞くと、嬉々として教えてくれました。
妹の結婚相手の正体
2時間後――。
伝えるべきか悩んだものの、私は母に連絡を取ることに。「妹の結婚相手のことで話がある」とメッセージを送ると、すぐさま「あらあら、絶縁した娘が何の用かしら?」と嫌味ったらしい返信が来ました。
「妹の結婚相手がハイスぺすぎて、絶縁を取り消したくなったんでしょw」「年収1000万円以上あるし、同居して毎日贅沢な暮らしをさせてもらうわw」
すっかり脳内がお花畑になっている母。これじゃあ私が何を言っても聞かないでしょう。
「節約生活の間違いでしょ……」
「もう忠告するのも疲れたわ」
「無職の婚約者さんと妹とどうぞお幸せにね」
実は、妹の結婚相手は、先月いきなり逃げた私の部下。プライドばかり高くて、「僕は悪くない、助けてくれなかった周りが悪い」と責任転嫁する厄介者でした。
妹の結婚相手の素性をもう一度確認した方が良い、と忠告するつもりで母に連絡したのですが、どうやら出過ぎた真似をしてしまったようです。
「え……?あんた、あの一流企業のM商事で働いてるの……?」と驚く母。「おかげさまで部長をやらせてもらってます」「結婚相手さんは部長会議で一度も見たことないし、そもそももう会社にいないわよ」と告げると、「あ、あの、それじゃあんたも年収1000万は余裕であるの……?」と、母は手のひらを返したようにすり寄ってきました。
しかし、「縁を切る」と言い出したのは母の方。私はもう金輪際母や妹を助けるつもりはありません。
「あるけど、もう一切仕送りも援助もしないよ。だって私たちは縁を切ってしまったんだもの」そう告げると母は真っ青になるのでした。
その後――。
母が事実を伝える前に、婚姻届を出してしまった妹。事実を知った妹から泣きのメッセージが入っていましたが、「助けてほしかったら、今までの仕送りと慰謝料に充てた300万、耳を揃えて返しなさい」と返すと、そこから連絡はなくなりました。
妹の夫は相変わらず言い訳ばかりで、働く気がないそう。母と妹はパートで生活費を稼ぐ毎日を送っているようですが、この機会に1円の重みを知ってもらいたいと思うばかりです。