会社でもうすぐ還暦を迎える部長がパパになる話を耳にした夫は、部長に詳しい話を聞くことに。すると、部長も不妊治療をおこなっていた事実が判明したのです。夫は自分も不妊治療をおこなっていることを打ち明けると、部長は不妊の原因は男性にもあること、さらに精液検査を受ける重要性などを丁寧に教えてくれたのでした。
部長との会話で不妊治療に対する意識が変わり始めた夫。その夜、夫は男性不妊の原因について調べ始めて……!?
調べれば調べるほど、莫大な量の情報が目に入ってきて…
©森脇葵/ビーグリー
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※「精液検査の基準値」の出典:WHOラボマニュアル第5版より。(尚、最新の数値はWHOが2021年に更新した第6版のものとなっていて、以下の数字の通りになります)
※精液量…1.4ml以上、精子濃度…1600万/ml以上、運動率…42%以上、総精子数…3900万以上、正常形態率…4%以上
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(うわ……こんなにあるんだ)
男性の不妊の原因について調べていると、
たくさんの情報が出てきました。
(さすがに一晩じゃ読み切れなかった……)
翌日会社のデスクでぐったりしながら、
反省をしていた夫。
(唯一得られた情報が、会社の近くに
男性不妊をやっている泌尿器科があったことくらい)
そんなことを考えていると、
同僚が話しかけてきました。
同僚との会話から、夫は“最後にしたのいつだっけ?”と
記憶をさかのぼっていたのでした。
退勤後、昨晩調べた泌尿器科で検査を受けようと思ったものの、
なかなかクリニックの中に入る勇気が持てず、
その場に立ち尽くしていた夫。
すると、泌尿器科の前で会いたくなかった同僚と
バッタリ会ってしまったのです。
「あれー? 片桐じゃん。何今帰りなのー?」
「おー偶然だなー。ちょっと温泉でも行こうかなって思って、
そこの旅行会社に来たんだよー」
そう嘘をつくと、「じゃ! 俺はここで!!」と、
立ち去って行きました。
家に帰り、会社の側の泌尿器科に行くのは、
やめておこうと反省した夫。
仕方なく入った旅行会社でもらった
温泉旅行の冊子を机の上に置いておくと、
翔子が反応してきました。
「最近旅行とか行ってなかったし、
どうかなって思って」
「あー、いいねー。温泉行きたいねー」
2人で会話をしながら、
“翔子もこんな気持ちだったのかな”と妻が不妊治療に
取り組んでいたときの気持ちを想像する夫。
その日の夜、ネットを調べていると、
自宅で精子のセルフチェックができるキットがあること知りました。
(とりあえずこれいってみるか)
さっそく購入し、調べてみることに。
(へー……こんなんなってんだ)
精子をとり終わり、
一連の流れに沿っておこないます。
(俺は大丈夫)
結果が出るまでの間、頭に不安がよぎりながらも、
そう自分に言い聞かせていた夫。
しかし、出てきた結果は、WHOが定める
精液検査の基準値を下回る数字だったのでした。
部長との会話をキッカケに、不妊治療に対する意識や向き合い方が変わり始めた夫。セルフチェックの数字は残念ながら基準値には届きませんでしたが、体調やストレスの状態によって検査結果が左右されやすいため、2回以上の検査がすすめられています。また、今回の夫のように自宅で精液検査がおこなえる簡易キットのほか、検査機関に精液を郵送して検査するキットなども売られていますが、きちんとした診断を受けるにはやはり医療機関で検査することをおすすめします。
監修/助産師 松田玲子