怒られるだろうと思い謝るイチくんでしたが、お母さんは「今まで我慢してたんでしょう、よく頑張ったね」と目に涙をためてやさしく慰めてくれ、すぐに新品の学用品をそろえてくれたのです。
イチくんは、学用品がそろってホッとしたものの、お母さんに対する申し訳ない気持ちで胸がいっぱいに。次第に「なくしたものを諦めたくない」という強い気持ちが芽生えます。
そんなある日、突然クラスに上級生の女の子が訪ねてきました。そして、イチくんに「これ、あなたのじゃない?」と教科書や絵の具セット、習字道具を持ってきてくれたのです。
すごくうれしかった。だけど……
上級生いわく、イチくんの学用品は「この教室の隣の空き教室を掃除していたら、あった」とのこと。
ずっと一緒に探してくれていたクラスのみんなや、支えてくれた友だちは自分のことのように大喜びしてくれました。
思い入れのある学用品が出てきて安心したものの、なぜ隣の空き教室から出てきたのか、やはり何者かに盗られたのか、そして盗られた理由は何なのかなどが不明のままで、イチくんは心から喜べず、モヤモヤしてしまったのでした。
もし皆さんがイチくんの立場なら、紛失物が出てきたことで問題は解決したことにしますか? それとも犯人が見つかるまで、追及し続けますか?
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