お祝いしたかったのは私だけ?
結婚記念日のプランを話しながら盛り上がっていた私たち。最近疲れ気味で、「体が重い」「喉が痛い」「運動不足で息切れする」とイライラ気味だった夫も、何だかんだ言いながら相談に乗ってくれ、2人で計画を進めていたのです。
しかし当日、帰宅すると夫は不在。なんと置き手紙と離婚届が置いてあったのです。離婚しなければいけない理由なんて思い当たりません。
「なんで急にこんなことを言いだすの!?」と慌ててメッセージを送ると……。
「手紙にも書いたろう? 俺は残りの人生、お前に縛られずに生きていきたいんだ」との返信が。
私がいつも能天気でその気ラクさについていけなかった、本当は記念日の相手をするのも面倒だった、と次々信じられない文面が届いたのです。
せめて1回、面と向かって話し合いたいと言った私にも、「お前の都合なんて知らん。もうその家には帰らないから」とすげない返事。そのままメッセージが途絶えてしまいました。
数日後、真実がわかる
数日後……。離婚を急かす夫からメッセージが届きます。
「まだ離婚届け出してないだろ?!早く出せよ」
「あなたが元気になったらね」
「え…」
私はまだ納得していないのに出せるはずもないと伝えると、「俺には俺の都合がある! 明日すぐに出しに行け!」と答えてきました。そう、私がすべてを知ったことに気が付いていないのです。私がひと言返すと、「何を言っているんだ、俺は元気だ」と言い張る夫でしたが、私は、義母から全部聞いたのだと伝えました。
彼が末期がんを患っていること、余命はあと半年と宣告されていること、今は入院中であること、先の短い彼といたら私が不幸になると考えたこと……。夫は、自分が愛想を尽かされるよう結婚記念日にわざとひどい言動をして、私を傷つけないため真実は黙ったまま離婚しようとしていたのです。
離婚なんてしない!
私は泣きながら文字を打ちました。「こっちは結婚したときに一生添い遂げるって決めている! 勝手に私の幸せを決めないで!」
強情な夫も、「一緒に闘病する。あなたが元気にならなきゃ離婚なんて絶対してやらない!」と断言した私の覚悟を感じ、最後には「お前のそういうところにほれたんだった……」と折れたのです。
私はすぐに病院に向かい、祝いそびれた5回目の結婚記念日パーティを病室で開きました。
それから約半年後。医師たちの治療もむなしく、夫は帰らぬ人となりました。彼は最期まで、病室でおこなった結婚記念日の話を楽しそうにしていました。穏やかな表情で、離婚しないでくれてありがとうと言ってくれたのを覚えています。
もしあのとき離婚していたら、夫の最期に立ち会えなかったのかと想像するとゾッとします。彼がいなくなって本当に悲しいけれど、いつか私が同じところに行ったとき、また一緒に結婚記念日を祝えたらいいな、と思っています。
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人が変わったような夫の言動にはビックリでしたが、実は理由があったのですね。それも妻のためのやさしさにあふれた理由が……。真実を知った妻が迷わず決めた覚悟の裏にはいろいろな葛藤があったと思います。改めて思いを伝え合った2人は、たとえ限られた時間でも、幸せに過ごせたのではないでしょうか。
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