見知らぬ人から声をかけられ…
当時付き合っていた同じ会社で働く3歳年上の彼氏と、仕事帰りに人気のビュッフェレストランに立ち寄りました。この日、私は淡いベージュのスーツを着ていました。
いくつか料理を選んでトレーに乗せて、彼氏より先に席に着いていると、見知らぬ女性が近寄ってきて肩をトントンとたたき耳元でこう囁かれました。「生理中よね? 漏れてしまっているからこれを持ってトイレに行っておいで」と。そして、ハンカチを差し出してくれたのです。
驚いた私は慌てて立ち上がります。幸い椅子は汚れておらずホッとひと安心。貸してもらったハンカチを握りしめトイレに駆け込みました。
事情を知らない彼氏
トイレで確認すると、ベージュのスカートに経血のシミが。予定より早く生理が始まっていました。私は貸してもらったハンカチを水で濡らし一生懸命に経血を取ろうとしましたが、なかなか取れません。逆に経血汚れがどんどん広がってしまい、パニックに。
途方にくれていると、先ほど声をかけてくれた親切な方がトイレに入ってきました。「彼があなたを心配しているようなので、連れてきましたよ」と言われ、トイレのすぐ外に心配そうに立ちつくしている彼氏が見えました。
私は恥ずかしいやら申し訳ないやらで、どうしたらいいのかわからず、「ごめんね」と謝ることで精いっぱい。すると彼は「大丈夫だよ、車で待っていて」と言って車の鍵を渡してくれました。
せっかくの食事デートでしたが、この日は彼も気をつかってくれて解散することに。残念でしたが、あのまま気づかずにいたらと思うとヒヤッとします。言いづらいことを教えてくれた女性にはとても感謝しています。この経験を通し、生理予定日はずれることもあるとわかったので、常に備えるようにしています。
著者/田中みなこ
イラスト/おみき
監修/助産師 松田玲子
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