料理上手だと思っていたら…
彼女は料理好きで、よく職場で手作りのお菓子を配っていました。僕も何度かもらったことがあり、毎回おいしかったので、きっとほかの料理も上手なのだろうと思っていましたが……交際後、彼女の手料理を食べたとき、とても衝撃を受けたのです。
なぜなら、彼女の手料理にはまったく味がないように感じたのです。「薄味」というレベルではなく、「素材の味そのまま」と言えば聞こえはいいですが、実際は魚の生臭さなどがダイレクトに伝わってくるなど、食べ進めることが困難なこともありました。
彼女の食事が苦痛になってしまって…
けれど、彼女はとにかく料理が好きで、よく「新作を作ったから食べて♡」とさまざまな料理を手渡してくれました。箸が進まないながらも「せっかく作ってくれたし……」と頑張って食べていましたが、それがいけなかったのかより頻繁に食事を作ってくれるようになった彼女。
さらには「お弁当も作るね♪」とウキウキな様子の彼女を見て、素直に「おいしくない」と言えず、僕はずっと頭を悩ませていました。
しかし、あるとき「これ以上は無理だと」と限界を迎えた僕。なるべく傷つけないようにそれとなく、もし今後も食事を作ってくれるならば、味を変えてもらえたらうれしいということを伝えました。彼女は普段外食をしないタイプだったので、おいしいお店に一緒に行ってグルメ巡りをすることに。そこで「僕はこういう味付けが好みなんだ」と伝えたり、やんわりと彼女の料理にアドバイスをしたりするようにしました。
最初は納得いかない顔をしていた彼女ですが、たくさんのおいしい料理を一緒に食べるなかで、だんだんと彼女の味覚も変わっていき……。まだ僕的には薄味のときもありますが、今は食べられないということはなくなりました。長く付き合っていくなかで、言いにくいことも言わなくてはいけない場面もあるのだと実感した出来事です。
著者/匿名
イラスト/マメ美
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