つわりで動けない私に「しっかり家事をしろ」と言いつけ、連日飲み歩いている夫。出産予定日も近いというのに、夫の行動は独身時代と変わりませんでした。
自分勝手な夫
「もう少し父親になる自覚を持ってほしい」と私が言っても、「飲み会は仕事の一環だから」「女は『つわりが~』『妊娠してて~』って言えば許されるんだからいいよな~」「家事くらいはちゃんとやれよ」と言い出す始末。
そんなある日、深夜に泥酔して帰宅し、そのまま爆睡した夫のスマホにたくさんの通知が来ているのが見えてしまいました。メッセージが連投されているようで、内容までは見えませんでしたが、送信主は……女性の名前。
不安になった私は、翌朝夫に「帰りが遅いのは、本当に飲み会なんだよね?」「同じ女の人からたくさん連絡来てたよ?」と尋ねました。すると、夫は「俺のスマホ勝手に見てんの?キモ過ぎ」と私を責めました。
「メッセージだって仕事関係の人からに決まってるじゃん」「不安だったら夫のことを疑ってもいいってか?ありえないだろ」「そもそも、つわり程度でしんどいだの家事ができないだの甘えたこと言ってる奴が人様を疑うとか、何様のつもりだ?」
私が慌てて謝ると、「今後、俺に口答えしないのはもちろんとして、次つわりがどうとか言い出したら許さないから」「そん時はマジで覚悟しろよ」と言って、夫は仕事へ向かってしまいました。
夫に返信した人物は…
数週間後――。
「お前なんで家にいないの?」
「つわりが辛いとか言う割に、遊ぶ元気はあるんだな」
「さっさと帰って家事しろよ」
「奥さんも子供ももういないよ」
珍しく早く帰宅したらしい夫から、私にメッセージが届きました。出産間近な私は、とある女性と一緒に私の実家にいました。夫に返信してくれたのは、その女性……夫の不倫相手です。
私のスマホに連絡したはずなのに、不倫相手だと名乗ったため、夫は驚きすぎて言葉を失っている様子。不倫相手は「奥さんに今後の話し合いをしようって呼ばれたの」「外で会おうかと思ったんだけど、奥さん妊娠中でしょ?何かあったらいけないからね、奥さんの実家で会うことにしたの」と話し続けています。
「あの……不倫のことは……。妻は、なんて言ってる……?」とおそるおそる聞いてきた夫。「ブチギレに決まってるじゃーん!」「離婚して子供の親権を取るのはもちろん、慰謝料も養育費もかなりの額を請求するってさ、ご愁傷様~」と不倫相手。
夫に女の影があることに気付いた私は、こっそり相手の女性に連絡を取ったのです。不倫相手によると、夫は独身だと嘘をついていたとのことでした。私も不倫相手も、夫に騙されていたのです。
不倫相手の女性は、私に平謝り。慰謝料もしっかり払うと言われましたが、悪かったのは嘘をついていた夫。私に協力してもらうことを条件に、不倫相手には慰謝料を請求しないことにしました。
「明日あたり奥さんの実家に来てね~!ちゃんと離婚届とか慰謝料の書類にサインしないといけないじゃん?」「それが終わったら、新しい生活始めようよ!」と、明るい調子で続けた不倫相手。
不倫相手から言われた「新しい生活」に希望を持ったのか、夫は翌日には私の実家に来て、離婚届などの書類にサインしてくれました。
不倫夫の「新しい生活」
数日後――。
私と夫の離婚は無事成立。元夫は不倫相手と一緒に「新しい生活」を始めようと思っていたらしいのですが、すでに不倫相手は引越して、元夫の連絡先をブロック済み。夫は一人寂しく「新しい生活」を始めたのではないでしょうか。
知らない間に不倫の片棒を担がされていた彼女。「妻の妊娠中に不倫するなんて……」とわなわな震えていました。元夫と再婚しても、同じことを繰り返されるだけだろうと思ったのでしょう。そんな元夫と結婚していた私が言うのもなんですが、逃げて正解だと思います。
その後――。
私は無事に娘を出産。今はシングルマザーとしてがんばっています。
私と不倫相手の貴重な時間を奪った夫のことは、一生許せないでしょう。でも、これからは娘のことを第一に、娘に恥ずかしくないように生きていこうと思います。
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