記事サムネイル画像

60代無職の中年男性を採用した私にパティシエリーダー「ジジイなんて雇いやがって」⇒男性の正体は!?

私はアラサーの女性経営者。ケーキ職人兼オーナーだった父が療養のため引退したのを機に、小さいながら評判の店を継ぐことになったのです。父の右腕として活躍していたパティシエリーダーのアオキさんに頼りながら、慣れない経営や営業にいそしんでいたのですが……。

 

頼れるベテランパティシエ

仕入れ先や顧客との交渉、従業員のシフト、イベントの準備など、初めのうちはお店のことがまったくわからなかった私。ベテランのアオキさんは、父の味を受け継いだお菓子を作ってくれるだけでなく、いつも的確なアドバイスで助けてくれていました。

 

しかし、いつまでも頼りきりというわけにはいきません。父の資料に目を通し接客に出て、私なりに努力を続けたのです。その結果、ほかの職人さんやスタッフたちも徐々に協力してくれるように。

 

こうしてあっという間に半年が過ぎ、オーナーとして少しは認めてもらえたかもと感じ始めたころ……。アオキさんの態度がおかしくなったのです。

 

塩対応にモヤモヤ

あるとき、注文数の追加のことでアオキさんに相談すると、職人さんたちの予定も見ずに即却下するのです。パティシエリーダーである彼に、受注OKかどうかを確認したかったのですが……。

 

「あなたはオーナーなんですから、判断は自分でしてください!」とイライラしている様子。その後も、私に対してキツイ物言いをすることが増えていきました。

 

「オーナーになったからって、ケーキも作れないあなたがパティシエリーダーの私に指示しないでください。誰のおかげでこの店が続いていると?」などと私を見下すようになり、同僚たちにも高飛車な態度で接し始めたのです。

 

そうこうするうち、職場がギスギスしだし、彼を敬遠する職人さんが次々と退職。店に出すケーキも品薄になり、客足も以前より随分と減ってしまいました。

 

 

アルバイトは60代の無職男性

経営は思うようにいかず、売り上げは減る一方。アオキさんに辞めてもらうことも考えましたが、菓子職人としての腕はピカイチ。父の味を再現できるのは彼だけなのです。

 

求人を出しても、経営の傾いた個人店で働きたいという人はなかなか現れず……。「誰でもいいから雇え」と催促するアオキさんをなだめながら、ようやく応募してきてくれた60代の中年男性をアルバイトとして採用することにしました。

 

ところが、アオキさんはこれも気に入らなかったよう。「無職のジジイを雇うなんて」とブツブツ文句を言う始末。私は何とかうまく彼と協力してくれるよう、頭を下げてお願いしました。

 

不安を抱えながら新人を迎えた数日後……。驚くような事実が判明したのです。

 

おじさんが本領発揮!

早速仕事を始めた新人アルバイトの中年男性。意外なことに何を頼んでもそつなくこなし、人当たりも良く、店頭でも人気者に。アオキさんは逆におもしろくなかったのか、彼にも冷たく接し始めました。何かあると「ケーキの1つも作れないくせに」とバカにするのです。

 

さすがに見かねた私がアオキさんを注意。しかし彼は逆ギレし、「ジジイとベテランパティシエの俺とどっちを取る?」と豪語してきました。

 

すると、それまで黙って見ていた中年男性がゆっくり口を開きました。「アオキさん、あなたは自分を見失っているのでは? 横暴な態度で周囲を不快にさせていては、人を喜ばせるケーキは作れません」と。そしてキッチンに入り、華麗な手さばきで美しいケーキを作り上げたのです。

 

その手際の良さは、元気だったころの父が働いているようでした。おまけに、完成したケーキの味ときたら! アオキさんでもこれまで再現できなかった、父の幻の逸品と同じだったのです……。

 

 

中年男性の正体とは?

「実は私、前オーナーが40年前にパリ修行していたときの同僚です。これは2人で考えたケーキですよ」と言う中年男性。「パティシエとしてパリに残った私ですが、友情は忘れていません。娘さんが継いだ店が窮状にあると知り、素性を隠してお節介をしたくなりまして……」

 

アオキさんは仰天。目の前に、パリの有名店に勤めていた伝説のパティシエがいるのですから。そして、彼の素晴らしいケーキを食べて涙を浮かべました。

 

「私は、自分の存在を誇示するあまり、過信して高慢になっていました。お客様の喜ぶ顔を見たいと菓子職人になったのに……。今まで申し訳ありません」と低頭し、改心すると約束してくれたのです。

 

その後、父の親友にゼロからの指導を願い出たアオキさん。辞めた職人さんたちにも謝罪して回りました。おかげで皆は復職し、店も昔のように繁盛するように。お客様を幸せにするケーキをスタッフ全員でお届けできるよう、私もオーナーとして今以上にまい進したいと思います。

 

--------------

一時期は自分を見失ってしまったというベテラン菓子職人。父の同僚だった伝説のパティシエのケーキを味わって改心できたそうです。お店が経営難に陥るなど大変な期間もあったとはいえ、すてきなエピソードですね。人の心を動かすそのケーキ、ぜひ食べてみたいものです。

 

ウーマンカレンダー編集室ではアンチエイジングやダイエットなどオトナ女子の心と体の不調を解決する記事を配信中。ぜひチェックしてハッピーな毎日になりますように!

 

ベビーカレンダー記事制作の取り組み
  • \ この記事にいいね!しよう /
    現在ログインしていません。ログインしますか?
    シェアする

    この記事の著者
    著者プロファイル

    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

    読者からの体験談をお届けします。

    同じ著者の連載

    新着記事が配信されたら、メールやプッシュ通知でお知らせ!
    15 クリップ
    • コメントがありません

  • 関連記事

    気になる記事をまとめ読み

    人気連載

    新着連載

    連載完結

    もっと見る

    注目記事を探す

    人気記事ランキング

    アクセスランキング
    コメントランキング

    お得な無料キャンペーン

    エンタメの新着記事

  • PICKUP

    ベビカレアプリ
    新コーナー!

    ✨今すぐ✨
    チェック →