推し活のためにSNSアカウントを設立
若いころから韓国文化に興味があり、韓流ドラマやK-POPが大好きでした。情報を収集するため、“推し活”用のSNSアカウントを作り、情報をチェックしていました。こじんまりと続けていたアカウントでしたが、公開アカウントにしていたため、徐々に同じ趣味の人とやりとりするようになり、フォロワーも次第に増加。私もアラフォーになり、いい年の大人なので個人情報が特定されないようにアカウントの設定には気を付け、投稿内容などにも細心の注意を払いました。
フォロワーとのやりとりは、やはり推しの話題ばかりです。推しグループの新たなビジュアル写真が公開されると「かっこいい!」と盛り上がったり、新曲が公開されると「いい曲だね!」と大盛り上がりです。フォロワー同士で特に個人的な話はせず、ある程度の年代は明かしているものの、それぞれの正確な年齢や住んでいるところなどはまったくわかりません。
アカウントを作って半年ほどたつと、頻繁にやりとりするフォロワーなどが決まってきて、個人的な話も少しずつするようになりました。皆、仕事や育児をこなしながらも、環境や状況は違えど、推しに癒やされていると、話すことは同じです。次第に、SNSのダイレクトメール(DM)でやりとりをするフォロワーも数人出てくるようになりました。
あるフォロワーが親しげに接してきた
SNSで推し活仲間たちとのやりとりを楽しんでいたある日、ここ最近フォローされたあるフォロワーが私の投稿に”いいね”や、投稿に対してのリプライを頻繁にしてくるようになりました。最初は、少しなれなれしい感じだなと戸惑いもありましたが、私の投稿に好意的なリプライを送ってきたり、推しに対しても「かっこいいよね!」と褒めてきたりすることがあったため、当初の戸惑いも次第になくなっていきました。
しかし、1つ気になる点が……。彼女は推しに対しての投稿をあまりせず、無難な日常の投稿や、フォローしている人にリプライを送ったり、いいねを押したりすることが多いだけで、どうして自分をフォローしているのか疑問だったのです。しかし、私や共通のフォロワーに対して、推しに関するリプライを送っているため「推し活アカウントではないから、推しの投稿はあまりしないのかな」くらいに思っていました。
ある日、DM欄に一件の通知があり、メールを開くと、その気になるフォロワーからのメッセージでした。そこには、いつも私の投稿を見ていて、推しに対する愛情が感じられるということが書かれていました。しかし、その次には私の個人情報に関しての質問があり、「どこに住んでいるんですか?」とか「結婚はしてますか?」とか、個人的なことが書かれていたのです。
さすがに、最近仲良くなった見ず知らずの人に個人的なことをあれこれ聞かれるのはいい気がしないので、「そういう質問はSNSではあまりしないほうがいいかな」とやんわりと返信。さすがにいきなり彼女をブロックすると何をされるかわからないと思い、それ以降はリプライを送られても無難な返信をしたり、念のためにアカウントを非公開にしました。
フォロワーの投稿でピンと来た
このフォロワーからのDMを機に、彼女のこれまでの投稿を見返してみることにしたのです。すると、私とやりとりするまでは仕事のことが多く投稿されていましたが、「既婚者の先輩を嫁から奪うことができるのか」「自分へのやさしさは勘違いなのか」といった、会社の先輩に関する投稿が目につきました。
そういえば、夫が会社の女性社員に気があると勘違いされて困ったという話を以前していたが、同じような状況だな……とふと思ったのですが、同時に寒けを感じ、もう一度彼女の投稿を読み返してみました。すると、なんと夫が話していたことと一致する内容が次々と投稿されていたのです。
「え、そんなことないよね?」と思いつつ、夫に彼女のSNSのアカウントの投稿を見せると、夫も目を見開いて、夫が以前困っていた女性社員の情報と一致していると言いだしたのです!
私はSNSのアカウントに関して位置情報はもちろんOFFにしており、登録しているメールアドレスも普段ほとんど使わないアドレスを使用して、個人情報がわかるものは一切出していませんでした。これは単なる偶然なのか、何かをたくらんでいるのかと、すぐに彼女のアカウントをブロックしました。
上司にこのことを話していいかと夫は私に聞き、彼女を刺激しないように絶対に内密にとの条件で、彼女が自分の嫁のSNSアカウントをフォローしていることを上司に相談したそうです。
アカウントをブロックしてから、彼女が会社で夫に対しておかしなアプローチをしてきたり……といったことはなく、結局何がしたかったのかわからないまま、その後、彼女は部署を異動し、夫とは社内で顔を合わせることもなくなったそうです。
まとめ
推し活アカウントで親しげに接してきたフォロワーが、夫に好意を寄せていた女性社員だったというオチに、まるでドラマみたいだねと夫と話しました。彼女がどこから私のアカウントを突き止め、何をしたかったのか、あるいは本当に誰だかわかってフォローしていたのか、いまだに謎ですが、あのままペラペラと自分の情報を話していると、何をされていたかわからないと思うとゾっとしました。
最近では当たり前になっているSNSでのやりとりですが、やはり安易に個人情報が特定されるような投稿は避け、好きなものが同じ仲間同士で、推しについてだけ好きなだけ語り合えるということが理想だなと思った出来事でした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
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著者:IWON
小学生の母、夫は現在単身赴任中。会社員とWebライターをしている。高齢出産を経て、体調の変化や疲れなどさまざまなトラブルに直面し、若いころとは違うとつくづく感じる今日このごろ。普段はファッション、推し活、グルメなどの情報収集が趣味。