楽しみにしていたデートだったはずなのに…
付き合い始めて約1年が経過したころ、お互い仕事に没頭して忙しい日々を送っていた私たち。そんな中で休日に2人でゆっくりと映画を観られるのは久しぶりで、その日は楽しい1日になる予定でした。
しかし、そんな期待とは裏腹に映画を観ている最中、ひょんなことからケンカをしてしまったのです。あとで思い返してみると、どんなことが引き金になったのかすらわからないほどのくだらないケンカだったと思います。
言い合いにまで発展した末、感情がぐちゃぐちゃになってしまった私はいても立ってもいられず、怒ってスタスタと映画館を出て、そのまま彼を残してひとりで家路へつくことに。
イライラ爆発で思わず帰宅
当時、私たちはそれぞれの実家で暮らしていて、映画館から私の実家までは1時間ほどの距離がありました。イライラが爆発して感情的になってしまい、彼に何も言わずに映画館を飛び出してきてしまった私。
帰りの電車の中でふと取り残された彼のことを思いましたが、「きっとあちらも腹を立てて今ごろ自分の家に帰っているだろう……」と深く考えずにいました。
その後、帰宅してからモヤモヤする気持ちを紛らわせようと、テレビをつけてソファでくつろいでいたときです。私のあとに帰ってきた父親から「マンションの外で彼が泣きそうな顔をして待ってるけど、何かあった?」と声をかけられたのです。
まさか…彼が家の前に!?
「まさか!」と思って慌てて玄関を出てマンションの入り口に向かうと、そこにはたしかに泣きそうな顔をした彼が立っていました。
ケンカをしたのになぜわざわざここまで追いかけてきたのか尋ねると、「気持ちがすれ違ったまま別れることだけは絶対に嫌だから、今ちゃんと向き合って仲直りしたい」とのことで……。
映画館から私の実家まで軽く1時間はかかります。ずっとそんな思いを抱きながら1時間の距離を追いかけてくれた彼を思うと、とても胸が痛みました。そして、この一件で「この人とだったらこの先どんな困難があっても、ちゃんとそのたびに向き合って一緒に乗り越えていけるだろう」と確信したのです。
今思い返しても、せっかくの休日だったのにささいなケンカで彼に悲しい思いをさせてしまい、とても申し訳ないことをしたと反省しています。ただ、あのとき彼が真摯に向き合ってくれたからこそ「この人と結婚したい」という思いに変わったので、あのときのケンカは決して無駄ではなかったとも感じています。
この先も意見が食い違ってケンカに発展するケースもあると思いますが、そんなときには2人で困難を乗り越えた過去を思い出し、お互いに歩み寄りの心を持って仲直りができたらいいなと思っています。
著者/杉野 ひまわり
イラスト/もふたむ
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