夫からの突然の提案
ある日、夫から「今度、平日休みを取ろうと思う。2人の子どもを連れて、電車に乗って野球を観に行ってくる」「お昼ごはんを食べてから家に帰る」と突然言われ、私は飛び上がるほど驚きました。
子ども2人を連れて外出なんて考えただけでも大変なのに……電車に乗って、野球を観て、さらにお昼も食べて帰ってくるなんて。そんなこと、この人本気で言ってるの? ーー思わずそう思ってしまいました。
日ごろワンオペで子どもたちを見ている私は、大変であろうことが容易に想像できます。しかし、普段からあまりワンオペを体験する機会のない夫は、事の重大さを理解できていないのかもしれません。
そこで、私は夫を気づかって「私も一緒に行くよ」と言いました。
「私も行くよ!」と言ったけれど…
しかし、夫は私の申し出を頑なに断り、自分だけで行くから私にはゆっくりしてほしいと言うのです。子ども2人を連れて野球を観て、お昼ごはんまで食べて電車に乗って帰ってくるなんて、すごく大変なことです。きっと帰ってきたら夫は、疲労困憊で疲れているだろうと予想しました。
また、私自身も野球観戦は気分転換になりそうだから行ってみたい気持ちもあり、もう一度「私も行くよ」と言いましたが、それでも夫は私の申し出を断り、「俺だけで子ども2人を連れて行く」と言うのです。
友人の話を聞いて気づいた
私は夫のことが心配であったのと、私も野球を観に行きたいという気持ちが満たされず、不満を抱きました。そんな中、後日この話を友人にすると、友人は「それは旦那さんからのプレゼントかもね」と言うのです。
「夫からのプレゼント? それ、どういうことなの?」と友人に詳しく聞いてみると、「日ごろワンオペ育児の大変さがわかるからこそ、たまには妻にゆっくりしてほしい、ひとりの時間を堪能してほしいという気持ちをこめたプレゼントなのかもよ?」とのこと。
私はまさか、夫からひとりの時間をプレゼントされたとは思ってもおらず、夫のねぎらいの気持ちにもまったく気がついていませんでした。
友人の言葉を聞いて感動した私は、夫からのプレゼントをありがたく受け取ることに。そして、いよいよ当日。夫は言葉通り2人の子どもを連れて、電車に乗って野球を観に行ったあとにお昼を食べて、ヘロヘロになりながらも楽しそうな顔で帰ってきました。
久しぶりにひとりの時間をゆっくり過ごせた私は、夫と子どもたちが帰ってきたとき、いつもより大きな笑顔で出迎えられたような気がします。夫には感謝の気持ちでいっぱいです。
著者/nanoka22
作画/おはな
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