ヒカリさんは毎回アポなしでわが家に遊びにきます。部屋に入るやいなや「あ! これ、最新のオモチャよね?」と目ざとく見つけるのですが、そんなときヒカリさんはきまって「この前まで使ってたオモチャはもういらないよね?」と言い、もらって帰ろうとするのです。
困ったクレクレママ
もちろん、新しいオモチャを買ったからといって、これまで使っていたオモチャが不要になるわけではありません。ハッキリ断ったはずなのですが、ヒカリさん親子が帰ったあと、オモチャがひとつ足りないことに気がつきました。
まさかと思ってすぐにヒカリさんに電話をすると、あっさり「ちょっと借りたのよ」と持ち帰ったことを認めました。
「それは借りたとは言わない、泥棒と一緒だ!」と抗議しても笑うだけ。もう呆れて何も言えませんでした。
事故っちゃった?!
ヒカリさんの“借りグセ”はエスカレート! 突然訪ねてきたと思ったら「車買ったんだ! いいな~ちょっと貸して~」と、次なる狙いは車のようです。
もちろん貸すわけがありません。キッパリ断ると、玄関ドアの向こうから「ケチ!」と悪態を突く声が聞こえてきました。人の車を簡単に借りられると思っているほうが信じられません。
ところが、それから数十分後、ヒカリさんから電話がかかってきました。まだ諦めていなかったのかと思い、うんざりしながら電話に出ると「ごめん! 事故っちゃった! あなたの保険で直しておいて!」と開き直っています。
一瞬何を言っているのか理解できませんでしたが、目線を庭に移すと、さっきまであったはずの車がなくなっていました。玄関に置いてあった鍵をさっと持ち去ったに違いありません。
ウチに車はありません…!
しかしわが家は車を保有していません。「ウチ、車ありませんよ?」と伝えると、ヒカリさんは固まっています。さっきまで庭に停まっていた車は、遊びにきている弟の車だったのです。
弟は車にGPSをつけているので、ヒカリさんの所在地がわかります。車の盗難として警察に通報しました。
幸い事故に巻き込まれた人はおらず、ヒカリさんにけがはなかったよう。警察にはヒカリさんのご主人も駆けつけてきました。人の車を勝手に乗り、事故を起こしたことに激しく怒っています。
無事戻ってきたオモチャ
初めて話すご主人は、普段のヒカリさんの様子などまったく知らないよう。日に日に増えるオモチャを見ても「お友だちからもらった」という言葉をすっかり信じていたそうです。私は良い機会だと思い、ヒカリさんのこれまでの振る舞いをすべて暴露しました。
その後、ヒカリさんは罰され、ご主人はママ友の家を駆け回ってヒカリさんが勝手に持ち帰っていたオモチャを返してまわったようです。わが家のオモチャも無事返され、ひと安心! 弟の車も直してもらいました。
子ども同士が仲良しだと距離を置きづらい気持ちもわかりますが、こういうタイプは近づかないのが一番ですね。