上司は「普段着で大丈夫」
私が就職したその会社は、社員が20名程度だったこともあり、春のお花見、夏のビアガーデン、秋の旅行など、社員の親睦も兼ねてイベントが多く、新年の顔合わせ会も慣例の一つでした。
私は初めての参加で、どんなことをおこなうのか、新人は何をすればよいのかわからずにいました。先輩に聞いても「大丈夫、参加すればわかる」とだけ言われていたのです。
日にちが迫ったある日、上司に相談してみると「社長のご自宅に行って、飲み食いするだけだよ」「普段着で大丈夫」とのこと。そのため、新年会みたいなものかと安堵していました。
他の社員の装いに驚愕!
そして、顔合わせ会の当日。早めに到着した私は、素敵なワンピース姿で迎えてくれた社長の奥様に案内され家の中に入ったのですが、驚愕してしまいます。すでに数人が着席しており、その装いは、男性はスーツ、女性はワンピースやスーツとフォーマルな格好だったのです。
ドレスコードはないと聞いていた私は、セーターにデニムというラフな普段着。あとから来た社員もスーツやワンピース姿で、その場の居心地が悪かったのは言うまでもありません。
「普段着でいい」という上司の発言を真に受けてしまったのは、社会人1年目の失態です。幸い「まだ若いからね」と流してもらえる年齢だったから良かったですが……。
このエピソード以降、会合や挨拶会といった会社のイベントでは必ず、TPOに合わせて服装を事前に確認するようにしているので、同じ失態は繰り返していません。
今でもお酒の席の笑い話として、私のあのころの失態を持ち出す同僚もおり、「あの上司の言葉さえなければ」と思うと悔しくもあるのですが、昔話として笑い流せるようになりました。
著者/山田友子
イラスト/藤まる
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