田舎に嫁いだ妹
妹が嫁いだ先は、都心から離れた田舎町。私と違って体の弱い妹は、以前、仕事中に倒れて入院したこともあります。そんな妹が、慣れない場所で生活していけるのかと、私は心配していました。
妹が引っ越しをして少したったころ、私が妹に電話をすると、妹の義母が電話に出ました。妹は、携帯電話を家に置いて出掛けてしまったようです。せっかくなので妹の様子を聞いてみると、「すごく楽しそうに、家事をしてくれているわよ」とのこと。私はその言葉に安心しました。
妹からのメッセージ
それから1カ月がたちました。妹から1度も連絡がなく、心配になってまた電話をしました。すると、「今、外出しているから」と、また義母が電話に出たのです。違和感を覚えた私は、どうしても妹と連絡を取りたいと伝えると、「今晩メッセージを送ってみて。必ず返事をするように話しておくから」と言ってくれました。私はその通り、その日の夜「何か困ったことはない?」と、妹にメッセージを送りました。すると、
「たいへんだけど楽しいし
すごく良くしてもらってる」
「けしきもいい所だし
てんきも穏やかで最高なの」
「そう!ならよかった!」
「久しぶりにオンラインで、私たちの好きなミステリーゲームをやりたいな。今日の夜、11時にログインするから来てくれない?」と私は続けました。妹からは、「そうだね。でも寝ちゃってたらごめんね」と返信が来ました。
翌日、妹の義母から自宅に連絡がありました。「うちの嫁がいなくなったんだけど、あなた何か知らない?」と。私は「昨日私が迎えに行きましたので、妹は今、私と一緒にわが家にいますよ」と答えました。私は昨日、妹からのメッセージを見たときに、文の頭文字だけを読んでいくと「たすけて」となっていることに気付きました。それと同時に、その携帯電話は妹の義母に監視されているのだろうと察しました。そのため、妹の義母にバレないよう、「夜11時にログイン(入る=助けに行く)する」とメッセージを打ったのです。
妹を迎えに行った私は車の中で、妹に詳しい話を聞きました。すると案の定、妹の携帯電話は妹の義母に管理されていて、義母は家事だけでなく畑仕事や自分の仕事もすべて、妹に押し付けていたのです。私は妹が打ち明けてくれたことのすべてを、父と母にも話しました。
以前の暮らしに戻った2人
その後、妹の夫と義母が、妹を訪ねてわが家にやって来ました。しかし、父が「不幸にするために娘を嫁にやったわけじゃない! 娘に2度と近付くな!」と怒鳴ると、2人は黙って帰っていきました。
その後、妹は離婚し、元の生活に戻りました。しかし、この1件で妹は疲れ切ってしまった様子。元気を出してもらうために、近々、妹を映画館へ誘い、来週から始まる私たちの大好きなミステリー映画の新作を、一緒に見たいなと思っています。
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ミステリー好きの姉妹の結束力により、見事に妹を救い出すことができましたね。大好きな家族と暮らす、元の生活に戻れてよかったですね。
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