遡ること10年前。私は、同居している義実家のキッチンでその日作った煮物を探していました。すると義母が「あのマズい煮物なら捨てといたわよ」とニヤニヤしながら言うのです。義母が私の料理を捨てるのは、これが初めてではありません。ちょっとでも嫌いな食材が入っていたりすると、鍋ごと捨ててしまうのです……。
夫の言葉を信じただけなのに
結婚をするとき、夫が母子家庭だったから自分がいなくなると義母が寂しがるからと同居を打診してきました。「万が一、母さんが嫁いびりするようなことがあっても、俺は絶対に味方だから」と言う言葉を信じ同居を始めました。しかし、実際はまったく守ってくれず見てみぬふり。私は同居のストレスで健康を害していくようになりました。ある日、つまらぬことで義母といさかいになった私はついに倒れてしまったのです。意識が朦朧としていた私は、それでも残った力をふり絞って義母に助けを求めました。しかし義母は「このまま放置しておけば、嫁に先立たれ可哀想な息子を支えるけなげな母になれる。生命保険も入るし一石二鳥ね!」と言い放ち、その場を立ち去ってしまいました。
義母と訣別!
目をさますと病院で、泣きながら私を見守る母と夫の姿がありました。夫が「帰宅したら倒れていてびっくりしたよ。母さんが出かけていて留守だったから発見が遅くなってしまった」と言います。私は、倒れたとき義母がいたこと、放置されたことを夫に伝えました。夫が義母を問い詰めるとあっさり認めたのです。すぐに同居解消となり、私と夫は別のマンションに住むことが決定しました。しばらく入院生活を送り、やっと退院することに。夫は退院書類とある1枚の紙にサインをし手続き完了。私は自宅へ戻る前に義実家に立ち寄り、絶縁宣言をするのでした。
まさかの展開が…
そして、それから本当に10年近く、今日に至るまで義母とは関わらずに生活をしてきました。夫はたまに姑に電話をかけたり、休日にパチンコに行くと嘘をついて義実家に通ってたようですが知らんふりをしていました。しかし、事態は急展開を迎えたのです。
義母が転んで骨折をしてしまい、後遺症が残るらしく面倒を私に見て欲しいと夫からお願いされたのです。私は絶対に無理だと言うと「俺を好きならできるでしょ?」と言うのです。呆れた私は冷たくあしらうと夫が激怒。お前は嫁だから義実家に尽くすのが当然。この10年は好きにさせてやったけど、そろそろちゃんと嫁の義務を果たしてもらうと言い義実家へ向かうのでした。
約束を忘れ好き放題してきた夫の末路
翌日になり義実家から帰宅した夫に、義母と関わることはできないときっぱりと告げます。しかし、夫は聞く耳を持たず、私に引っ越しの準備をしろと言うのです。仕方なく私は夫に1枚の紙を突きつけました。それは10年前、倒れた私を放置した義母を警察に突き出さない代わりにと書いた誓約書でした。誓約書の内容は、「義母とは絶縁し連絡を取らないこと。違反した場合は500万円を支払い、離婚を求める場合は異議を申し立てをしないというもの。そこにはしっかりと夫の自筆署名もあります。誓約書のことをすっかり忘れていた夫は、義母と連絡をしたり会ったりと知らず知らずのうちに契約違反をしていたことに。私は泣きついてくる夫を無視し、マンションから追い出しました。
その後、約束を破った夫は何も抵抗できずに違約金の500万円を支払い無事に離婚成立。私はというと、実家に戻り母と生活をしています。もし、母が要介護になったときは一生懸命介護しようと思っています。