ある日、行きつけのカフェに行こうと家を出たときのこと。娘の友だち・エリちゃんとママのサオリさんにばったり会ってしまいました。子ども同士は仲が良いものの、ママ同士はあまり面識がありません。
しかし娘が友だちをランチに誘ってしまい、エリちゃんとサオリさんは大盛り上がり! 一緒にランチに行くことになってしまいました。気を使わず食事がしたかったので憂うつです。
何しにきたの!?
カフェに入っても、サオリさんはメニューを開きません。私たちがオーダーを決めている様子をニコニコと見ているだけ。
「何にする?」と私が聞くと「おなか空いてないから水だけでいいわ」と言うのです。
「え!? 何しにきたの!?」と言いたい気持ちをグッと抑え、私と娘はスペシャルランチとお子様ランチをオーダーしました。4人で来たのに、オーダーは2人前……。なんだか気まずい気持ちです。
ひと口ちょうだい
しばらくして、私と娘のごはんが運ばれてきました。サオリさんたちに見られながら食べるのは気が引けますが、いらないと言ったのは彼女です。冷めないうちに食べ始めることにしました。
するとエリちゃんは「いいな〜エビフライおいしそう! ひと口ちょうだい」と言って、大きく口を開けるのです。しかし1本しかないエビフライ……大人気ないかもしれませんが、他人の子どもにわけてあげられるほど私は寛大ではありません。
「この子、海老フライが大好きなの~」と、さも分け与えて当たり前のようなサオリさんの態度に、私は追加オーダーをすすめました。でも、サオリさんはひと口だけでいいと言い張ります。
私が断ると「ケチじゃん」と言い出す始末。30分前、一緒にランチに出かけた自分を殴りたい気分です。
図々しいママ友を成敗したのは…
すると、お店の奥から店長と思われる男性が出てきて、サオリさんに声をかけました。
「いつもご来店いただきありがとうございます。うちのお店、見ての通り小さいので、せめて大人の方は1オーダーいただかないと困ってしまいます。それに毎回人が頼んだ食事をもらおうとしているのは目に余ります。今後、ご注文いただけないのであれば入店をお断りいたします」
この言い方、きっとサオリさんは常習犯なのでしょう。お店側から注意されると思っていなかったサオリさんは恥ずかしさで真っ赤に……。店長の言うことはもっともなので、かける言葉もありません。
粋なはからいに感動!
サオリさんが怒りをあらわにしながら席を立とうとすると、再び店長がやってきて「二度と子どもにこんな思いはさせないでくださいね」とひと言。娘とエリちゃんに小さなフルーツ盛り合わせをサービスしてくれました。
きっと、おなかを空かせたエリちゃんを気遣ってのことでしょう。店長のキッパリとした対応と粋なはからいに、ますますこのお店のファンになりました。サオリさんもこれに懲りて、非常識な振る舞いはしないでほしいと願います。
子どもにとって、一番身近な大人である親の存在は絶対です。そう考えると、今回の一番の被害者はエリちゃんなのかもしれませんね。無邪気な顔で物乞いする姿を想像すると、胸が痛みます……。
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