結婚式を控えた私のもとに、妹から「お姉ちゃんの旦那って年収100万円以下って本当?」とメッセージが。
夫を馬鹿にする妹
「よくそんな無職みたいな底辺男と結婚したね」「うちの旦那は飲食店経営してて、まだ25歳なのに年収1000万円もあるのに」とマウントを取ってきた妹。人の旦那を馬鹿にしてあざけり笑うなんて……。
「お姉ちゃんもせっかく結婚できたのに苦労するね~」と言ってきた妹に怒りを通り越して呆れた私は、勝手に言わせておくことにしたのでした。
それからしばらく経ち――。
打ち合わせから帰宅した夫が「もしかして僕って義妹ちゃん夫婦に嫌われてるのかな……」とポツリとこぼしました。肩を落としている夫に事情を聞くと、焼肉屋で仕事の打ち合わせをしていた時に、妹夫婦に会ったのだそう。そして、夫の仕事の関係者がお手洗いに立った時に、夫は妹からひどい言葉をかけられていたのです……。
「収入が少ないのにこんなところでごはん食べていいんですか?」「ここは無職のような人が来ていいような価格の店じゃないですよ?」「あっ、もしかしてたった1皿だけ頼んだんですか?」
妹の夫も妹同様、私の夫を見下していたそう。夫はすごく恥ずかしくなり、肩身の狭い思いで帰って来たそうです。
「あなたは立派なデザイナーよ!あなたは何も悪くないからね!」と言って、私は事情を説明。デザイナーとして駆け出しだった頃、たしかに夫の年収は100万程度でした。しかし、今では大きな広告のデザインを担当するほどの売れっ子デザイナー。そうとも知らず、妹夫婦は夫の年収がいまだに変わっていないと思い込んでいるのです。私の話を聞いて、夫はほっとしたような顔をしていました。
「ところで、いつもの打ち合わせならカフェなのに、なんで今日は焼肉屋だったの?」と聞くと、夫の顔がぱぁっと輝きました。
「よくぞ聞いてくれました!実はね、大きなショーのデザインを僕が手掛けることになってさ!そのお祝いも兼ねて焼肉屋で打ち合わせだったんだよ!」
それを聞いて私は飛び上がって大喜び!家でも盛大にお祝いするべく、その日の夕食は腕を奮いました。
妹夫婦、ドタキャン
そして、待ちに待った結婚式当日――。
もうすぐ式が始まると言うのに、妹の姿が見えません。妹に電話をかけてみると、「あ、ごめーん!私たちは今日の結婚式に行かないから」とドタキャン宣言。
「無職みたいな人との結婚がうまくいくわけないし、すぐに離婚することになるでしょ?」「なのに数万円もご祝儀包むなんてもったいないじゃない」
妹の罵詈雑言は止まりません。
「お姉ちゃんには悪いけど、お祝いする価値のない結婚式なんだよねw」
「ご祝儀の無駄だから欠席でよろしくw」
「わかった、絶対来ないでね」
「だから行かねぇよw」
「底辺無職との結婚式なんて、招待客誰も来ないんじゃない?」「他にもドタキャンする人多そ~」と妹。そこで、私は真実を教えてあげることにしました。
「逆にたくさんの人が来すぎて大変よ?」「招待状を送ってもいないのに『せめてショーのデザインをしてくれる先生にご祝儀だけでも』ってやってきてね」「電報の数もすごいし、こんなことになるなんて思わなかったわ……」
「え?ちょっと待って?先生って何!?ショーって何!?」と慌て出した妹。
ショーの説明をすると、ショー自体は妹も知っていたようで、「嘘……そのデザインを担当するの……!?」と非常に驚いた様子。呆気に取られている妹に、「もうそろそろ式が始まるから、あなたたちの席はスタッフさんに頼んですぐに撤去してもらうわね」と言って、私は電話を切りました。
人を馬鹿にした妹夫婦の末路
1時間後――。
式を終えた私のスマホには、妹から何件も不在着信やメッセージが入っていました。
「ちゃんとご祝儀も持ってきたから中に入れて!」「うちの旦那も連れてお祝いしに来たのに!」
私の夫が人気デザイナーであることを知って、手のひらをくるっと返してきた妹夫婦。しかし、さんざん私の夫のことを「底辺」と馬鹿にしてきたことを忘れられるはずがありません。
「中に入れてくれないなら、ネットで『人気デザイナーとその嫁はとっても冷たい人だ』って書き込んでやる!」とついには脅しに出てきた妹。
しかし、実はネットで炎上しているのは妹たちの方なのです。ショーを担当することになって受けたインタビューで、夫はこの間の焼肉屋での一件を自虐ネタとして話し、その記事がネットで拡散。「最低な義妹さん夫婦ですね」と叩かれまくっているのでした。
1時間後――。
妹の旦那と妹は式場前で激しく口論。ネットで自分たちが叩かれていることを知り、互いのせいにして夫婦喧嘩に発展したよう。
あまりに騒々しいので、私が「これ以上式場前で騒ぐなら警察を呼ぶからね!」と脅すと、2人してすごすごと帰っていきました。
その後、妹夫婦は険悪な仲に。今では離婚に向けて話し合いを続けているようです。
一方、私と夫は相変わらずのんびり暮らしています。人のことをあざ笑っていると自分に返ってくるのだなと今回の出来事を通して思いました。妹を反面教師にして、私は人の良いところを見つけられる人間になりたいと思います。