しかしそんな生活も長くは続かず……。夫の結婚前の借金が発覚し、私は再び働きに出ることにしました。
これって愛情不足!?
働き始めてからも、できるだけ頑張って食事を作っていたのですが、これまで通りいかないことも多々あります。これまで丁寧に取っていただしも、便利な顆粒だしに頼るようになりました。
すると夫は「これ、だしの素だろ? 俺の舌はごまかせないぞ!」とケチをつけるようになったのです。
顆粒だしや市販のドレッシングを使うたびに、手抜きは愛情不足の証拠と主張し、「味に深みがない」「旨みが足りない」とブツブツ言うのです。
「母さんはできていた」
夫の要求はどんどんエスカレート。私が高熱を出してダウンしているときでさえ「レトルト食品を食べると味覚がおかしくなる」と、なんの根拠もない文句を並べます。
食事への文句はもちろんのこと、いちいちグルメぶった発言をするのもカチンときます。夫に「母さんはどんなに忙しくても手を抜かなかった」と言われて、私の我慢は限界に……。
しかしあんなに忙しくしている義母が、本当にこれまで顆粒だしなどを使ってこなかったのでしょうか。疑問に思った私は、義母に聞いてみることにしました。
自称グルメな夫の真実
数日後、義実家に遊びに行った私たちはおいしい義母の手料理をいただいていました。夫は「やっぱり母さんの料理は絶品だ! カツオと昆布の香りが鼻に抜けて最高〜」と大絶賛。その上、私が顆粒だしを使っていることへの批判をつらつらと話すのです。
そこで義母があるものを机の上に出しました。それは、インスタント味噌汁! 「わが家は、ず~っとこれよ!」と笑って言いました。
義母に聞いたところによると、顆粒だしはもちろん、レトルトや冷凍食品もフル活用してきたそう。夫が世界一と言う義母の茶碗蒸しも、市販の麺つゆを使って作っていると言うから驚きです。
便利なものは活用すべし!
夫は「嘘だ!」と言って信じてくれませんでしたが、目の前でインスタント味噌汁を作ると、当然夫が感動していたお味噌汁と同じ味です。「何がグルメだ! 出直しておいで!」と義母に言われ、やっと静かになりました。
それ以降、夫は料理への文句を一切言いません。私は義母の時短レシピのとりこになり、週末になるたびに料理を習いに行っています。おかげで料理の腕も上がり、今は食べ過ぎて太らないように必死です。
最近は便利な調味料がたくさん売られ、あっという間にプロ顔負けの料理が作れるようになりました。忙しい毎日、いかに賢く家事をこなすかが、日々の充実に欠かすことができません。便利なものは活用し、時間を有効活用したいですね。