私たちは毎日のように知らない親子に家の中をのぞかれ、とても怖い思いをしていました。夫に連絡をして帰ってきてもらい、1度話をつけてもらったのですが、また再び頻繁に現れるように……。
次来たら警察に突き出す予定でいますが、怖くて怖くて。友だちに頼んで一緒にいてもらうこともありましたが、友だちをいつまでも拘束するわけにはいかず、それもそろそろ限界をむかえていました。
夫は相手の連絡先も押さえており、素性がある程度わかっているのでさほど心配ではないと言ってくれますが、相手にはうちの子と同じくらいのお子さんがいるので、あまり警察には連絡したくないようでした。たしかにそんな小さい子がいるお母さんのことを通報したらかわいそうだと私も感じていました。ただ、私も夫も知らない人なのに、なぜにうちに来るのか不思議で仕方がありませんでした。
突然の義姉の連絡に…
ある日突然、義姉から連絡がきました。相当お怒りのようで、声にはトゲもあり……。
いつもやさしい義姉なのに、一体どうしたことでしょう。
「毎日子どもを預けるのはやめて」
「体調不良って聞いていたけど、外出して遊んでいるわよね?」
意味不明な話に、私は戸惑うばかり。
どうやら夫が娘だと言って小さな子を預けに行くのだそうです。
それも1週間、毎日のように!
とりあえず、私は事実だけを伝えることにしました。
「子どもは私と一緒にいますが……」
今は私の目の前で、スヤスヤお昼寝をしています。
「え、じゃあこの子誰?」
義姉と娘は、産後すぐに会った以来会えていませんでした。どうしてうちの娘だと思うのか尋ねてみたところ、夫と顔がそっくりだと言うのです。それを聞いて、嫌な予感がしました。娘は私にそっくりなので……。
私はその夜、夫に詰め寄りました。すると苦しまぎれに、上司の子どもを預かることになったので義姉に預けたと白状。それなら、うちで預かったら良いことですし、一度くらい相談してくれてもよかったはず。夫としては、変な親子が出没している最中なので、上司のお子さんを危険な目に遭わせてはいけないと思ったということ。
それならそれで、「義姉にウソを付く必要はないのでは?」と思いましたが、最終的には夫に信じるととりあえず伝え、その日は話を終えました。
不審な親子の正体
数日後、私はわが家にお客さまを招待しました。義姉と……あの親子です。帰宅する夫が連絡してきたので、客人がいると伝えてそれが誰かも伝えておきました。話を聞いた夫は、顔面蒼白。なんでそんな危ない人間をうちに入れるのだと、大騒ぎでした。
実はあの日、私は義姉に預けられていたお子さんが夫にとても似ていると聞いて、ピンときました。ちょうどタイミング良く、わが家の回りを例の親子がウロウロし始めたので、声をかけ話を聞いてびっくり。なんと母親は2年前夫と別れた不倫相手で、そのお子さんは夫の子だと言うのです。DNA鑑定書も確認したので、間違いありません。
とうとう、夫はすべてを白状しました。「不倫はしたけれど、娘が生まれて自分は心を入れ替えたのだ」 そう強調した夫ですが、私には不倫相手の気持ちもわからなくはありません。突然捨てられ、その後妊娠がわかってどれだけつらかったことか。恨みつらみも多かったことでしょう。わが家の回りをウロウロしたり、家の中をのぞき込んだりしてもおかしくありません。
また、不倫相手は、子どもを預かってくれなければ、不倫のことや子どものことを私に言うぞと夫を脅していたようでした。
やばい人間から離れることができた結果…
その後、全員で話し合いをし、私たち夫婦は離婚することになりました。2年前に別れたとはいえ、まだ慰謝料を請求できる時期だったので、夫と不倫相手双方にしっかり要求しました。彼女にはやや同情しましたが、不倫をしたこともそれをネタに元夫を揺すったことも事実ですから、責任を追求されても仕方ありません。
やばい人間から離れることはできましたが、その代わり私はシングルマザーとなってしまいました。しかし、娘のためにはこれで良かったのかなと思います。不倫をして挙げ句妊娠させるような人物がずっとそばにいることは、教育上良くないことだと思いますから。たとえそれが父親であっても……。片親であっても幸せになれますから、これからも、いえこれまで以上にめいっぱい娘を愛していこうと思います。
家のまわりをうろついていた親子が夫の不倫相手だったという衝撃の事実が判明しました。夫は「娘が生まれてから心を入れ替えた」と言っていましたが、不倫をした上相手に子どもも生まれているのですから、すべてをなかったことにはできません。また不倫相手の気持ちもわからなくはないですが、なんの罪もない妻に対して不安を煽る行為は許されることではありませんよね。妻さんにとって大切な人に裏切られてつらい出来事だとは思いますが、娘さんと一緒にこれからの人生を幸せいっぱいに歩んでいってほしいですね。