私が傷を前向きに受け入れられたのは、学生のころから付き合っている彼のおかげ。傷も含めて私を受け入れてくれました。
私は欠陥品!?
彼は付き合って10年を迎えた先日、プロポーズをしてくれました。私を支えてくれた彼との結婚を、両親は大喜び。問題は彼の両親です。
彼の家に挨拶に行くと、お母さんは私の顔を見てあからさまに引いていました。「こんな欠陥品のどこがいいの??」というひと言には、さすがの私も傷ついてしまいます。
「結婚は認められない」彼のお母さんは、そう言って隣に座る彼の祖母に話を振りました。おばあさんは、私の顔を険しい顔でじっと見つめています。
やっぱりこんな傷を持つ私が結婚すべきではなかったのだと思い、修羅場と化したその場から去ろうとしたとき、私はあることに気付いたのです。
まさかの再会
「この傷に、見覚えはありませんか……?」私が恐る恐る聞くと、彼の祖母はやっぱり! といった表情を見せ、次の瞬間「私のせいで、本当にごめんなさい」そう言って、私の傷を撫でて「助けてくれてありがとう……!」そう言って大粒の涙を流しました。
なんと、目の前にいる彼のおばあさんは、私が高校生のときに助けたおばあさんだったのです。やさしそうな目元に2つ並ぶホクロを見て、事故のときの記憶が蘇りました。
間違いなく運命!?
しかし、隣で聞いていた彼のお母さんは、明らかに動揺していました。聞くところによると、この家で一番権力があるのは祖母だったよう。祖母の恩人にあんなことを言ったとあれば、許されるわけがありません。
この後、人を見た目で判断するなとキツく注意されたのだとか……。
私は無事結婚を認められ、祖母からも本当の孫のように大切にされています。「やっぱり僕たち、運命だったんだね!」と彼。私も運命を信じずにいられないのでした。
祖母は自分の代わりに事故に遭ってしまった女の子がいることを、ずっと気にしていたはず。その思いが、こうして縁を引き寄せたのかもしれませんね。