生理痛とは無縁の20代
母は昔から生理痛がなかったらしく、娘である私にも「生理痛はないと思うよ」と言ってきました。たしかに中学・高校と、生理痛に悩む友だちを見ては「生理痛がない私ってラッキーだったのか」と思ったり、生理痛で救急車に乗ることになった友だちの話を聞いたときには、生理はただごとではないんだなぁ……と、どこか他人事のように感じたりしていました。
生理中のムレやナプキンの不快感くらいはあったものの、生理による体の不調を感じることはほとんどなく過ごせていました。
2人目を出産後、じわじわ現れた不快感
しかし、2人目を出産し、半年ほど経ったころのこと。生理が再開すると、今までにない違和感をおなかに覚えたのです。へそ下あたりをギューッと締め付けられるような、腰をかがめていたくなるような、そんな痛みが数日ほど続きました。
ようやく痛みが治ってきたのは生理期間の終わりごろ。きっと産後の体調の変化で生理痛が起きるようになったのだと推測し、そのうち産前のように戻るだろうとやり過ごすことにしました。また、やけに生理前にイライラするのも、甘いお菓子をドカ食いしてしまうのも、すべて産後のホルモンバランスの影響だろうと考えました。
婦人科を受診してみると
けれど、それから1年ほど経過しても生理痛が重いままだったので、ふと時間ができたある日、婦人科に行ってみることに。産後初めて行った婦人科では、問診のほか、血液検査や尿検査、エコーなどあらゆる検査をしました。腫瘍マーカー検査もあり、結果が出るまではかなり不安になったのを覚えています。
検査の結果、医師から「PMS(月経前症候群)って聞いたことある? あなたの生理前の症状はPMSだね」と言われました。生理前にイライラしやすくなったり、甘いお菓子をドカ食いしてしまったりするのは、どうやらPMSが原因だったようです。
これらのPMSの症状には、漢方薬を飲んで改善を図るように指導され、生理痛にかんしては特に疾患があるわけではなかったので、痛みがあるときは鎮痛薬を飲んで痛みを軽減するように言われました。少しずつではありますが、漢方薬のおかげでPMSの症状が緩和されている気がします。
産後のホルモンバランスの影響だろうと勝手に思い込んでいたため、医師からPMSと言われたときは本当にびっくりしました。けれど、PMSと診断されたおかげで、イライラしたり暴飲暴食をしてしまう自分をひどく責めたり、落ち込んだりすることはなくなりました。漢方薬を処方してもらうこともできたので、婦人科でしっかり検査をする大切さを身をもって実感した出来事です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者/新谷けご
監修/助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
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