医師がぽつりとこぼした言葉
うちの2人の子どもたちは、中耳炎や外耳炎になるたびに高熱を出していました。発症の契機もわからなかったため、様子がおかしいと思ったらすぐに耳鼻科へ。そして通院生活が続く……という日々を繰り返していました。
あるとき、かかりつけの耳鼻科で長女の耳をみてもらっていると、主治医の先生がぽつりと言いました。
「なんでこんなに頻繁に悪くなるかな」。
なんだか私の育て方を批判されているような、母としてダメ出しされたような感覚になり、かなりショックを受けてしまいました。
また別のある日、長男がかかりつけの耳鼻科の休診日、しかも夜間に高熱を出しました。「お耳が痛い」と泣く息子をあやしながら、夜間でも診てもらえるところを探し、タクシーで向かいました。
そこのお医者さんは、とてもやさしいおじいちゃん先生。かかりつけの主治医の指導医をされていたそうで、より親しみが持てました。
痛みに耐えていた子どもに対して、「よく頑張ったね」と声をかけてくれたおじいちゃん先生。そして、私に向き直り、「お母さんもよく頑張っているね」と言ってくださいました。
ベテランのお医者さんからのこのひと言で、私の心は安らぎ、救われました。子どもが体調を崩すと、つい自分を責めてしまいがちでしたが、私も頑張っているから大丈夫だと、自分自身を認めてあげたいと思いました。私も人の心に安らぎを与えるような声がけができるよう、心がけようと思った出来事でした。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
イラスト/きりぷち
著者:そら
男の子と女の子の母。専業主婦で、親の看病・介護をしながら子育てに奮闘中。