聴覚が敏感でモスキート音も聞こえる私
私は生まれつき聴覚が優れていて、同世代の人たちに比べて、小さい音もよく聞き取れるのが自慢です。物音や話し声もよく聞こえるため、子どもの小さな異変や危ないことにも気が付きやすいというメリットもあり、自分の鋭い聴覚を誇りに思っていました。
また、小さな音に気付けるだけでなく、若い人にしか聞こえないと言われているモスキート音も、30代後半まで聞こえていました。夫がモスキート音を聞き取れず、悔しがっているのを横目で見ながら「私にはまだ聞こえるもんね!」と軽口をたたいては優越感に浸っていました。
こんなことで優越感に浸る自分もバカだなぁ……とわかっていながらも、やはりうれしいものでした。
娘と繁華街を歩き若返った気分になるも…
ある日、小学生の娘と一緒に買い物をするため、2人で繁華街を歩いていました。その繁華街では若者の座り込みを防止するために、至るところでモスキート音が鳴っているそうで、まだ小学生の娘は耳をふさいでうるさそうに歩いています。
40歳になった私は、かすかに音がするような気がするものの、さすがにもうモスキート音は聞こえません。いくら座り込みを防止するためだといっても、ただ街を歩いているだけの子どもにとってはかわいそうな話だなぁ……と思って歩いていました。
すると、繁華街の真ん中のクレープ屋さんで、娘が「これを食べたい!」と言いだしたため、クレープをテイクアウトすることに。
聞こえてきたモスキート音の正体は…?
若い子に混じって娘と一緒にクレープを頬張り、一気に若返ったような気分になりました。すると、どこからともなく不快なモスキート音が聞こえてきたのです!
耳がキーンとするような音に思わず耳をふさいだ私は、娘に「ここのモスキート音うるさいねぇ。若い子は毎日大変だね」と声をかけました。すると娘は「え、モスキート音なんて聞こえないけど」と言うのです。
そんなはずはない……! と、辺りをキョロキョロしましたが、たしかに若者たちは誰もうるさそうにしていません。その瞬間、繁華街のガヤガヤした声が一瞬静かになりました。そこで初めて、自分が耳鳴りしていることに気付いたのです! 雑踏のうるささで、自分が耳鳴りしていることに気付かなかった私は、耳鳴りをモスキート音と勘違いしてしまったのです。
娘に「耳鳴りだった……」と言うと大笑いされ、「ママ40歳なのに聞こえるはずないじゃん!」とバカにされ、散々です。今まで自分の耳が若いことを鼻にかけ、そのバツを受けたような気分になり、私はガックリと肩を落としました。
まとめ
いくつになっても若くありたいと思うのは人の常ですが、鼻にかけるのもほどほどにしないと、痛い目に遭う……と感じた出来事でした。今後は今元気に聞こえる耳を大切にして、感謝して生きようと思います。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
イラスト/おみき
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著者:大野 肉美
結婚15年目、小学生と幼稚園の2児の母。大手外資系金融会社を退職後、出産を機に主婦に。現役時代に培ったレポート作成の経験を活かして、現在はライターとして活動している。