彼を母に紹介することに
関西圏の大学で友人グループを介して知り合った私たち。3年間の友だちづきあいを経て、彼から「ひと目ぼれだったんだ」と告白され、交際へと発展しました。
もともと地元が関西だった私は、大学卒業後もそのまま関西で就職。彼は関東出身だったのですが、一緒に関西で就職しました。そして交際は続き、私たちはそろそろ結婚を考える年齢に。
そのころ、ちょうど母から「一度、彼を実家に連れていらっしゃい」と言われていたので、彼と一緒に実家へ行くことにしました。
関西に住む母と関東出身の彼
私の母は非常に気難しく、自分と対立する意見は頑として聞き入れない性格です。そんな母と彼がうまくやれるか心配な気持ちもある中、この日は母の提案で一緒にすき焼きを食べることに。すると、すき焼きがきっかけで、思いがけない事件が起きてしまったのです。
関東と関西ではすき焼きの作り方が異なり、使う材料にも違いがあるようです。そのため、関東出身の彼からしたら、関西の家で食べるすき焼きが違和感たっぷりで仕方がなかったようで……。
地獄のすき焼きパーティー
まず、メインであるお肉ですが、彼の実家では豚肉を使うらしく、私の実家では牛肉を使います。また、作り方も大きく異なっていて、彼の出身である関東のほうでは「割り下」で煮て作りますが、関西の私の実家では「割り下」を使わず、肉を焼いてあとから調味料を入れます。
先にお肉を焼き始めた母に驚き、彼は「割り下を使わないんですか!?」と言いました。すると、母は「割り下は使わないわよ。こっちのほうがおいしいから」と少し自慢げに答えます。彼は少しムッとした表情になってしまい、2人の間はどこかピリピリとした空気に……。
気をつけてはいたのですが、どちらも頑固者なので一歩も引くことはなく、その後も激しい火花が散り、私は2人の板挟みとなってしまいました。
結局、この出来事以外にも彼の頑固さにあきれる場面が多々あり、彼とは別れることにしました。同時に、幼少期から続いていた母の傍若無人さにも耐えられなくなってしまい、私は逃げるように実家を出ました。
それから日本各地の方々と友人になった今は、お互いの出身地独自の食事を紹介しあったり、レシピを共有したりして、食文化の違いは楽しいものだと実感しています。異なる文化を称え合う喜びを、あのとき、関西と関東のすき焼きの違いで喧嘩していた母や彼に伝えてあげたいです。
著者/匿名
作画/おはな
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