大人になったお祝いをしていたら…
私が初潮を迎えたのは小学5年生のときでした。授業で生理のことを学んではいましたが、いざ生理が始まると戸惑いのほうが大きかったです。母親に生理になったことを報告すると、サニタリーショーツとナプキンを出してくれました。そろそろではないかと用意してくれていたようです。初めて使うサニタリーショーツにドキドキしたのを覚えています。
その日の夕食は、母親がお赤飯を炊いてお祝いしてくれました。父親に知られるのは恥ずかしかったのですが、「大人になったな」と言われてちょっとうれしかったです。そのとき、たまたま父親の友人家族が遊びにきました。
すると、父親がいきなり「娘が生理になったお祝いをしていたんだ」と言い出したのです!
知られたくなかったのに!
父親によって、私が初潮を迎えたことが赤の他人に知られてしまいました。そのときの私は、恥ずかしくて恥ずかしくて顔を上げられなかったです。
父の友人にも「おめでとう」と言ってもらいましたが、まったくうれしくありません。何が恥ずかしいのか自分でもわからなかったのですが、生理を迎えたことを、とにかく家族以外の人に知られたくなかったのです。
その夜、私は布団を被って泣きました。自分の大切な部分を勝手に晒されたような気がして、とにかく悲しかったのです。
後日、父親は私に謝ってくれました。父親いわく、うれしくてつい話してしまったそうです。ですが、年頃の娘にとっては深く傷つく出来事でした。しばらくは父親と口を聞くのも嫌だったほどです。この一件で、親子といえど多少の気づかいは必要だと思うようになりました。
著者/村井貴子
作画/モリナガアメ
監修/助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
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