ウワサを耳にして
私がパートを始めて数日後。娘がこんなウワサを聞いたと言うのです。「お母さんのコンビニって、夕方にヤンキーがたむろして店内を荒らしているんだって?」
普段は昼過ぎまでの当番の私には、寝耳に水。本来、夕方以降は店長がいるはずですが、最近は別店舗の開店で忙しく、若いスタッフだけになりがち。そこを狙って現われるらしいのです。聞けば店長はすでに警察に言ったそうですが、うまく巡回時間を避けられてしまい、現場を押さえられずじまい。そこで私は、店長にある提案をしてみました。
「しばらくの間、私が夕方のシフトに入るよ。ここは任せておきな。若造たちがこの町で悪さをするなんて絶対許せない」
こうして、心配そうな店長を説得しシフトを変えてもらうと……。なんとその夜にノコノコとヤツらがやってきたのです。
すぐに事件ぼっ発
明らかにガラの悪い10代らしき男2人が、肩で風を切りながら入店し、大声を挙げたのです。「おいおい、何だよ、今日の店員はばあさんかよ」
私が知らん顔をしてしばらく注視していると、2人は立ち読み防止の本のビニールをビリビリに破き始めました。「それは、売り物ですので……」と、もう1人の同僚パートが恐る恐る声をかけると、案の定逆ギレしてきたヤンキーたち。「ああ? なんか文句あんのか?」
さらに、商品を意味なく並べ替えたりアイスを冷蔵棚に入れたり。まるで幼稚園児みたいなお遊びをして、私たちの反応をおもしろがっているのです。
他のお客様にも迷惑がかかると、そこで私はタンカを切ったのです。
「あんたたち、いいかげんにしなさい! それ以上やらかすとただじゃおかないよ!」。私を知っていれば、この一喝で悪さを止めるはず。ところが……。
いきがる若造に!?
「ばあさんに何ができる」「俺たちは最強なんだ、いちいち指図すんじゃねーよ」
私はいったんヤツらを放置して店長に速攻で電話を掛けました。目的は、ヤツらの始末を任せてもらうため。慌てて別店舗から駆けつけるという店長に「心配無用」と伝えて了解を得た私は、いよいよ本領発揮だと息を吸い込みました。
「あんたたち、止める気がないようだから、こっちも遠慮なく」
反論してくるヤンキーの前で、私はとある人物を呼び出しました。その間に、他のお客様は逃げ出してしまい、店内にはヤツら2人と私と同僚パートだけ。これはむしろ好都合です。
店内に誰もいなくなったことを確認した私は、ヤンキーたちに向き合いました。
「あんたら、 私の目の黒いうちは、この町で好き勝手はさせないよ」
トドメの鉄槌
すると、ヤンキーの1人がレジの私に向かって売り物を投げつけてきたのです。間一髪で避けたところに、私が呼びだした人物が駆け込んできました。
その人物とは、この界隈を仕切っている男たち。黒ずくめのスーツにサングラスで迫力抜群です。私からしたらかわいい舎弟のような間柄ですが、ヤンキーの2人は驚がくの表情で縮み上がりました。
私はその姿を見て、満面の笑みで「暴れて商品を壊し、周りに迷惑をかけ続けた行為は犯罪。このまま警察を呼ぶ?」と言いました。
大集結で解決!
するとそこに店長も到着。「あんたらがこの店に負わせた数十万の損害はどうしようか……」と、損害賠償の話になると泣きだしたヤンキーたち。反省の色が見えたため、店長は妥協案を提示しました。「賠償代わりに、うちでしっかり働いてもらおうか? ちょうど店員を募集しようと思っていたし」
その言葉にヤンキーたちは目をキラキラさせながら「お願いします!」と即答したのです。
ただし、賠償分は完全なるタダ働き。それでも、心を入れ替えたらしい2人。バイト時間が終わってもトイレ掃除や窓掃除に精を出し、真面目に仕事をして、褒められることに喜びを感じた様子です。私を姉御と慕っていろいろと手伝いもしてくれるようになりました。
悪ぶっていた若者たちが立ち直ってくれて、私はそれだけでうれしく思いました。
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実際にその場に遭遇したら怖いですよね。それでも店のため、そして若者のためにひと肌脱いだ姿がカッコいいですね。そのおかげで彼らも更生できて結果オーライだったのではないでしょうか。
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